女性がキャリア構築するためには夫と上司の協力が不可欠

林田 夫婦間で情報量の格差があると、夫婦関係が「師弟関係」になりがちですよね。だから、共有することは大きなポイントですね。加藤さんは育休も取得されていて、自然と情報共有ができたんじゃないでしょうか。

加藤 育休を取得できたのはとても大きかったですね。僕の勤務先は社員が10人くらいの小さな会社なんですが、会社としては、女性も含めて僕が初めての育休取得者だったんです。でも、上司である副社長に「育休を取りたい」と相談し、みんなで制度などを勉強しながら、育休を取得させてもらいました。

 うちの場合、妻はやや特殊な仕事をしていたので、実は育休が取れなかったんです。その後、離職してフリーランスになったんですが、個人事業主なので仕事をしていないと収入もないですし、保育園にも入れません。僕が育休を取ることで妻が働き続けられる環境を作りたかったんです。それで、去年の9月から今年の3月まで7カ月間、育休を取得しました。

篠田 私の勤務先も小さなベンチャー企業なんですが、すごくフレキシブルな会社で、子どもが病児のときは在宅勤務も認められています。もちろん在宅でもしっかり働いていて、会社にいる時間と在宅勤務の時間を合わせると、完全にフルタイムです。副業もOKなので、将来的には整理収納アドバイザーの資格を生かして、セミナーやワークショップなどもやりたいと思っています。

石田 その研修、うちの夫を参加させたいです!

林田 チームわが家でも「職場の上司や同僚」は「家族外家族」の位置付けで入っています。やはり、巻き込むことができれば、強力なサポーターになりますよね。

石田 その通りだと思います。私が共働き育児をしながら思うのは、女性のキャリアは夫と上司がどういうタイプかで決まってくるということです。働き方改革や女性活躍が推奨されるようになって、女性が出産後も仕事を続けられるようにはなったと思うのですが、管理職などのより高いポジションを目指すためには、夫と上司の理解と協力が不可欠です。なので、これからは私自身が管理職として、ママ社員たちをサポートする役割に徹しようと思っています。

林田 まさに、石田さん自身がチームわが家のサポーターになるということですね。

石田 私自身、表向きは「キラキラ頑張っているワーママ」のように見えるらしいんですが、やっぱり深く悩んだ時期がありました。その中で多くの人に助けられたので、今度は私自身が誰かの役に立ちたいと思ったんです。私自身、「管理職だからって全部自分でできなくても大丈夫!」と思いながら仕事ができるのは大きいですね。そんな環境があれば、管理職を目指す女性も増えると思います。

加藤 職場のサポートはとても大きいですね。育休中も、何度か会社に会議などで行くことがありましたが、子連れでミーティングに参加してもOKでしたし、僕が顧客とオンライン会議中は同僚が子どもの面倒をみてくれていたこともありました。育休を取得したときもそうでしたが、職場の理解とサポートは本当に重要だと思います。