36歳まで仕事が楽しくてバリバリ働いていたけれど、ふと「子どもが欲しい」と思ったときには、妊娠しづらい体になっていた……。「何のために今まで避妊していたんだろう?」と落ち込みながらも、不妊治療を開始。2015年に37歳で第一子を出産したAさんに、なかなか聞けない不妊治療についての疑問について、本音で答えてもらいました。

治療は早めに始めるとメリットが大きい

Q 不妊治療って、何歳から始めればいいですか?

A 早ければ早いほどいいと思います。

 不妊治療は「この年齢になったら始める」というものではなくて、早ければ早いほどいいと思います。30歳になっても子どもがいなければ、とりあえず検査に行きましょう。

 私は36歳のときに仕事が一段落して、「そろそろ自分も子どもが欲しいな」と思い、妊活を始めたのですが、1年を過ぎても全く授かりませんでした。37歳になって不妊専門クリニックを初めて受診。パートナーの精子検査もしてもらったところ、なんと精子が6個(通常は数千万から数億)しかないことが分かりました。

 私自身は体に何か問題があったわけではなかったのですが、医師からは「自然に妊娠するのは難しい。年齢的にも、本当に子どもが欲しいなら今すぐ顕微授精をしたほうがいい」と言われました。そこですぐに顕微授精を決断しました。

 卵を育てるために毎日注射に通い、採卵日直前には23時以降に病院に行って排卵を促す注射をし、37歳で妊娠。38歳になる年で出産することができました。でも、翌年トライした2人目の受精卵移植は3回とも成功せず、年齢の壁を感じました。

 早めに検査を受けるメリットは、自分の体にどういう特徴があるのかが分かることです。例えば卵管がつまっていたら、治療法が変わります。授かりにくい原因がある場合も早めに対処することができます。

 治療にかかるお金も、早く始めたほうが総額として抑えられることも少なくないと思います。年齢を重ねてからの妊娠には、ダウン症などの先天性異常のリスクが高くなることも知られているので、そのことも知っておいたほうがいいと思います。

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