30代後半は、一日一日が時間との勝負

Q そろそろ2人目が欲しいと思っているのですが……。

A できれば、35歳までに授かれるように計画しましょう。

 2人目が欲しいなら、のんびり構えている余裕はありません。できれば、35歳までに授かることが望ましいと思います。

 私は、39歳のときに2人目の不妊治療にトライしました。まずは、37歳で1人目を妊娠したときに凍結保存しておいた受精卵2個を使って移植しましたが、1回目は、着床はしたものの翌週流産になりました。その時点では、「まだもう1個あるから」と楽観的に考えていましたが、2回目は着床すらしませんでした。

 そこで、改めて採卵しました。再び卵を育てる注射に通い、採卵直前に排卵を抑える注射やかなりの痛みを伴う排卵を促す注射を受けました。でも、37歳で採卵したときには8個採れた卵が、39歳では2~3個しか取れず、受精卵も1個しかできなかったのです。

 そして、案の定それも着床しませんでした。

 そのとき感じたのは、30代後半になると、一日一日が時間との勝負だということです。「1人目が卒乳したら2人目を」と思い、出産後1年たってからトライしたのですが、「1年と言わずに半年で始めておけばよかった」と後悔しました。

 よく「早めに採卵しておけば移植はいつでもできるから」という話も聞きますが、個人的には、20代のうちに採卵して30代前半までに移植するのがいいのかなと感じました。ですから、2人目の妊活についても、早め早めに計画を立てて進めていくのが鉄則だと言えるでしょう。

Q 不妊治療って、いくらくらいかかるものでしょうか?

A 人それぞれですが、それなりにかかるものと考えて準備したほうがいいでしょう。

 不妊治療を始めるときの年齢やその人の体の状態、どういう病院でどんな治療を受けるかによりますが、ある程度はお金がかかるものと覚悟しておいたほうがいいでしょう。

 私の場合は、東京都心の有名病院での顕微授精でした。排卵するまでは、毎日1本3万6000円ほどする卵胞を育てるための薬を10日間にわたって注射。採卵の4日前からは排卵を抑える薬を3日間注射し、採卵の前々日にも排卵を促すためのホルモン注射を1本。そして採卵は全身麻酔でした。その後着床した卵を育てるためにホルモン注射をさらに追加で注射しました。

 これらはすべて保険が利かない自費診療で、しかも注射がかなり痛いので、文字通りお財布にも体にもやさしくなかったです。幸いにも1回目の移植で妊娠し、出産できましたが、すべて合わせると私の不妊治療は210万円ほどかかりました。もし、なかなか着床しなくて何度も採卵したり、移植したりしていれば、さらに大きな金額になっていたでしょう。

 ちなみに成功報酬の場合、病院にもよると思いますが、私が払った以上の金額がかかったという話も聞いたことがあります。金額については事前によく調べたほうがいいと思います。居住地域の自治体の助成金も、忘れずにチェックしておきましょう。