おしどり夫婦として知られる女優・タレントの矢沢心さんと、日本人初のK-1世界王者・格闘家の魔裟斗さん。2人は、5歳と3歳の2人の女の子のママとパパであり、不妊治療の経験者でもあります。

 不妊治療の当事者として矢沢心さん、男性側の視点から魔裟斗さんと、合わせて10回にわたってお話を伺ってきた連載に引き続き、前回からはご夫婦一緒の対談が始まりました。第2回となる今回は、お二人の現在の活動、そして不妊治療にまつわるお金についてお話を聞きました。

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女優業は生半可な気持ちではできない

日経DUAL編集長 羽生祥子(以下、――) 今回の連載では触れませんでしたが、お二人は現在、主にどんな活動をしていらっしゃるか、聞かせてください。

魔裟斗さん(以下、魔裟斗) 僕の仕事は、メインは体を鍛えることですね(笑)。でもこれは冗談ではなくて、そこから枝葉が伸びていくというか、色々な仕事につながっています。こういったメディアに出ることもそうですし、格闘技関連やその他のこと、色々です。

―― 今でも現役時代と比べて、体脂肪率は変わっていないそうですね!

魔裟斗 いや、現役時代よりさらに絞れた、キレた体になってますよ。若い頃よりトレーニングについての知識も増え、食事もより考えて生活していますから。でも、今の自分があるのは20代のときに獲ったK-1チャンピオンという実績があってこそ。だから今でも体を鍛えてそのイメージを損なわないことが、僕の仕事でもあるんです。

―― 矢沢さんは昨年、医療ドラマ『コウノドリ』(TBS系列)にもゲスト出演されていましたね。女優業はどれくらいやっていらっしゃるのでしょうか?

矢沢心さん(以下、矢沢) 女優業は生半可な気持ちでできるものではないので、今は怖くてなかなかできないですね。育児をしていると、スケジュール的にご迷惑をおかけしてしまうのではという気持ちがあって。『コウノドリ』は、そういった部分にご配慮いただいたので、なんとか受けられたという感じです。今年は次女も幼稚園に入園するので、少しずつ私の時間ができるようになれば、徐々に再開できるかなと思っています。

 妊活を始める前、最後に自分でも納得がいく仕事ができたんです。実は、『コウノドリ』はそのときの監督からお声がけいただいて、スタッフさんもほぼ同じで。「監督のおかげで、納得して妊活に入ることができました」とお礼を言うことができました。

―― 納得したからこそ、妊活に打ち込めたということですね。

矢沢 そうですね。だからこそ、仕事に未練を残すこともなく、次は出産して、子どもにある程度手がかからなくなったら再開したいと自然に思えました。ただ、私たちの仕事は声をかけていただかなければ成り立たないので、これからも自分を磨いていきたいと思います。

魔裟斗 それに、今、心が本格的に女優業をやっていたら、夫婦がうまくいかなくなっちゃいますね。毎日1人で子どもを見ていたら、僕のストレスが爆発しちゃう。

矢沢 きっと「仕事なんてやめちまえー!」ってなるよね(苦笑)。あとは、不妊治療について、私に伝えられることはこれからも積極的に伝えていきたいと思っています。

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