日経DUAL創刊から5年!めでたい、めでたい。創刊時から関わっているので、改めてこの5年間の変化を振り返ろう…と思ったらこんな特集記事が。

ロールモデルなき新時代に突入するデュアラーたち
細川モモ×西村創一朗×編集長座談会。「共働きが当たり前」の世界を子ども世代に渡すために

「僕は変わった、職場は変わらない」男性は葛藤中
日本男性の育児時間はフランス男性を超えた!? 感度が上がったゆえの悩み

 なんと心強いではないか。確かにここ5年で、若い世代の男性が積極的に、というか、ごく自然に育児に携わっているのを見聞きするようになった。街でもよく見かけるし、先日は知人の男性が「子どもが生まれたら忙しくなるから、妻の出産前に仕事を進めておかなくちゃ」と当然のように話していた。やはり30代の知人男性は、週に一度は子どもを預けずに育てたいと、決まった曜日を時短勤務にすることを自ら選択。以前は子どもができたら仕事のペースを落としたり働き方を変えたりするのは女性ばかりだったけれど、もうそうではなくなってきているのだ。

男女一緒に働きかければ、声は格段に大きくなる

 記事にあるように、若い世代ではもはやイクメンアピールはダサいという感覚すらある一方で、職場の制度や上司の意識は二周遅れの「男は仕事、女は育児」のまま。仕事と育児の両立を望む男性たちが、かねてそれで悩んできた女性たちと同じギャップに直面しているのだ。

 これは朗報! だってついに「両立は女性の問題」ではなくなったのだから。会社員だったころ、私は労働組合の執行委員を9年、うち7年は副委員長を務めた。00年代のころだ。今でいうワークライフバランスの制度改革などを地味にやっていたのだが、当時は「女性のために」と言っても会社に相手にされなかった。そもそも当時は放送局では出産して働き続けている女性は少なかったので「そんな超マイノリティーのためにわざわざ…」という感覚だったのではないかと思う。

 ははーん、ここではとにかく男が当事者でないとニーズとして認識すらされないのねと、とにかく男性の当事者を探すことにした。すると、妻が国際線のCAなので一人で赤ん坊を見ているときに夜中に急な呼び出しがかかっても預け先がなく、隣家の親切なおばあさんを叩き起こして子どもを預けているという報道カメラマンや、職場には言わずに苦労して親の介護をしている男性がいることが分かった。

 病気の治療をしながら働いている人も、以前と同じようには働けない。数は少なくてもそうした男性の事例も挙げながら、有給休暇を半日単位で取れるようにしてほしいとか、育児休業の取得可能期間を延長してほしいとか、社内託児所の設置を訴えたりした。女の問題とされていることは決して女だけの問題ではないし、育児介護と仕事の両立がしやすい会社は、病気になったときにも働き続けやすい。女性の苦難を強調するよりも、男性を巻き込んで問題を一般化して語る方が受け入れられやすいことがあると学習した。

 時は流れ、ここ5年の変化を見ると、実際に「仕事も育児も心おきなくやるためには会社が変わってくれないと困る」と思っている男性が増えているようだ。男女が一緒になって「この制度なんとかなりませんかね」「残業はやる気の証しっておかしくないですか」などと言えば、以前よりも格段に声が大きくなる。男は仕事に生きるべしというマインドが強い組織では、男性は困っていても女性よりも声を上げにくいので、ここは先に問題に直面してきた女性たちが男性たちの内なる懊悩に手を差し伸べて「困ってない? 一緒にやろうよ」と連帯を呼びかけることが必要かもしれない。

11月はオーストラリアの初夏。また今年も海の青さがまぶしい季節がやって来ました。もうすぐ5回目の真夏のクリスマス。月日が経つのは早いなあ!
11月はオーストラリアの初夏。また今年も海の青さがまぶしい季節がやって来ました。もうすぐ5回目の真夏のクリスマス。月日が経つのは早いなあ!