大事なことは、どんな学校を出たかじゃない

 私が最初に「好きなことはその人をどこまでも連れて行ってくれるのだな」と思ったのは、数年前にNHKで偶然、同級生と出会った時のこと。番組出演を終えて楽屋を出ると、もう20年も会っていない同級生のリラが、隣の楽屋から出てきたのです。え?なんでリラがNHKの楽屋に?? 再会を喜びつつ話を聞くと、彼女は大学でドイツ語を教えており、NHKのドイツ語講座の講師を務めていることが判明。

 中学の時からテニス部で活躍していた彼女は、当時人気だったドイツの男子テニス選手ボリス・ベッカーのファンでした。高校の第二外国語はもちろんベッカー会いたさにドイツ語を選択。そのまま大学でも独文科に進み、ドイツ留学からついにドイツ語の専門家へとなっていたのです。マジか…ベッカーおそるべし!! 彼女は今もまたドイツに留学しています。

 昨年あるテレビ番組が私の同級生の現在の様子を取材してくれたのですが、そこでも二人の中高の同級生の様子がわかりました。

 高校でフランス語を選択していたバレエの上手なめちゃくちゃ頭のいいカオリちゃんは、なんとフランスの大学を卒業してパリのルイ・ヴィトン本社で働いていました。なんて彼女らしいの!

 そしてもう一人、おしゃれでぶっ飛んでたノンちゃんはインディーズのバンドを組んだ後、ドイツ人と結婚し、次にはイタリア人シェフと結婚して香港を経由してバルセロナに移り住み、ピラティスのインストラクターをしていることがわかりました。自由すぎる、さすがノンちゃんスケールが違う…。

 ここまで登場した同級生たちはみんな、世間から見たらいわゆる「下から有名私立育ち」のお嬢様。もしかしたら、親が望んでいたのとは違う人生を選択しているのかもしれない。ノンちゃんも「せっかく小学校から学習院に入れたのに、まさかこんなことになるとは思っていなかったでしょうね(笑)」と言っていました。本当にね、人生って面白いです。

 DUAL読者で子どもの将来のために小学校のお受験を考えている人もいると思うけど、先のことなんてわかりません。絶対に親の思うようになんて育ちませんから! 

 大事なのは、自分が何を好きかをちゃんとわかっていて、その時のベストな選択をしたら後悔しない、という生き方ができるかどうか。どんな学校を出たかなんて、その人のコアな部分にはほとんど影響を及ぼすことはできないのだと思います。