親が見守ってくれているから、子どもは安心して遊べる

 「子どもになんでもかんでも手出し口出しするのはやめてくださいと言うと、なぜか全く子どもに関わらなくなってしまう極端な人もいます。過干渉がダメならば無関心(ネグレクト)になるというのは、大きな勘違いです。

 では親はどうするべきなのか。子どもには“一人で遊ぶ力”がもともと備わっているので、子どもが遊んでいるのをただ見守ってあげればいいのです。こう言うと、またスマホをいじりながら、全く子どものことを見なくなってしまう人が多いのですが、それではいけません。子どもは一人で遊んでいるように見えても、時々親が自分のことを見てくれているか、確認しています。そのとき、親が自分のことを見守ってくれていると感じると、安心して、また自分の遊びの世界に戻っていけるのです」

 余計な手出し、口出しをせず、子どもがすることをじっと見守る。言葉にすると簡単ですが、これができている人は実はごく少数ではないでしょうか。忙しい共働きのママ・パパは、少しでも空き時間があれば、あれをしよう、これをしようと、あくせく動いてしまいます。そうではなく、じっと子どもがやっていることを見守って、子どもが失敗しようが何をしようが自由に遊ばせる。「子育ては根気が一番大事」と諸富教授は指摘します。

 「欧米人の親は、例えば子どもがパン屋で好きなパンを選ぼうとしているとき、どんなに時間がかかっても子どもの決断をじっと待ちます。ところが日本人の親は待ちきれず、すぐ『これにしたらいいんじゃない?』などと、自分の都合で選ばせたりしてしまいます。これでは子どもの“自分の人生を自分で決めて、自立して生きていく力”は育ちません。誰もが『共働きで忙しいから』『待っている時間がないから』と言い訳しますが、共働きなのは海外の親も同じ。子どもにかける時間の使い方が、日本と欧米では違うように思います

子どもがすることをそっと見守ることが親にできる一番のこと