【DUALな名言】セレクションその19


「すごいなと思うのは、いったん僕ら兄弟が何か話し始めると、

おふくろは必ず耳を傾けてくる。仕事で疲れているだろうに、

『今は忙しいから』とか『疲れているから』とか、

そんな大人の事情で話を遮ったり、後回しにしたりすることは

一切なかったですね」


日経DUAL/連載「働く親を見て育った」
芥川賞の小野正嗣(前編)土地に育てられた幼少時代より


『九年前の祈り』で2014年下期の芥川賞を受賞した小野正嗣さん。共働き家庭に育ち、お母さんはかなり忙しくしていたそうですが、家の中で言葉が循環していること、人の話を聞くことの大切さを教えられたといいます。

小野さんは言葉を2つ3つ交わしただけでその温かい人柄がすぐに伝わってくる、とても素敵な方でした。インタビューが始まると、自分のことを話すばかりでなく、こちらのこともどんどん聞いてきてくれる、驚くほどの聞き上手。この親にしてこの子あり!と納得がいきました。

文/日経DUAL編集部 イメージ写真/PIXTA