「クローゼットはパンパンなのに着る服がない」「断捨離したいけど、捨てるべきものが分からない」――。「クローゼット向上委員会」という名称で、多くの悩める女性の個人コンサルティングを行っている「ミランダかあちゃん」こと輪湖もなみさん。著書やファッションブログも大人気の輪湖さんに、ワーママのクローゼットの悩みを解決してもらう連載。最終回は「色」について聞きました。

―― 前回は、「男子」「女子」「大人」「子ども」のバランスを考えたスタイリングのロジックについて教えてもらいました。

輪湖もなみさん(以下、敬称略) 前回は形と素材について説明しましたが、今回は色についてお話ししましょう。

 実は色でもエリアは分けられます。分かりやすいように、大まかにざっくりと説明すると、黒、白、グレーの無彩色は「大人」、原色は「子ども」、原色に白を混ぜたパステルカラーは「女子」、原色にグレーを混ぜた濁色は「男子」に分けられます。

 絵の具のチューブからそのまま出したような原色を使うと、若々しいイメージに寄り、モノトーンの無彩色は大人っぽいイメージになると思いませんか。

―― 言われてみれば、確かにそうですね。

輪湖 色も素材と同じぐらいの影響力があります。まずは、細身パンツやロングフレアスカート、タイトスカートなどアイテムの形によって、どこのエリアに位置するかが決まり、さらに素材と色によって、その点がさまざまな方向に少し移動するというイメージです。例えばラベンダー色のロングフレアスカートは「大人×女子」エリアに入りますが、色がグレーになると、少し「男子」のほうへ移動します。つまり、同じアイテムでも色によって、調整することは可能です。

―― 例えば、きょう私は黒いシャツを着ていますが、全身のバランスを見て、もう少し女子度を上げたいなと思ったら、同じ形で同じ素材のパステルカラーを選べばいい、ということですね。連載4回目で「自分のテーマカラーを決める」という話がありましたが、それにも当てはまりますか。

輪湖 そうですね。優しい印象を与えたければパステルカラー、若々しく見せたければ原色、大人っぽさや男性っぽさを強調したければ濁色や無彩色を選ぶといいと思います。ただし今ファッションはジェンダーレスの時代なので、女性だからパステルを着たほうがいいという意味ではありません。色彩心理学的に「一般的に人が持つイメージ」と捉えてくださいね。

クローゼットの中が色であふれている悩み

―― 自分のクローゼットの中がいろいろな色であふれているという人も多いと思います。

輪湖 そういう方は「ベーシック欠乏症」に陥っていないか、確認してみてください。以前、ファッション誌でよくある「1カ月間着回しコーデ」系の特集の服の色を数えて分析したことがあります。