日経DUALでは「待ったなしの少子化問題」と、内閣府も推進する「ワーク・ライフ・バランスを保ちながら生産性高く働くための働き方改革」という2つの視点で優秀な企業を応援する取り組みとして、「共働き子育てしやすい企業グランプリ 2017」調査も実施しました。【共働き子育てしやすい企業ランキング特集】第6回となるこの記事では、グランプリに輝いたSCSKの各施策を紹介します。後日、同社の社長や共働き子育て中のママ&パパ社員のインタビューから成る記事も公開する予定です。ご期待ください!

【共働き子育てしやすい企業ランキング特集】
第1回 「共働き子育てしやすい企業2017」50社発表!
第2回 「共働き子育てしやすい企業2017」全質問項目
第3回 「共働き子育てしやすい企業&街2017」表彰式
第4回 ホワイト企業SCSK 私たち、前はブラックでした
第5回 豊島区 消滅可能性都市から女性にやさしい街へ
第6回 SCSK 残業しなくても一律残業代をもらえる理由 ←今回はココ!
第7回 丸井が追い求める「ワーキング・インクルージョン」
第8回 ピジョン 経営理念は「愛」 従業員が一番大事
第9回 「男性育休・残業時間・有休取得率」優秀企業リスト

<SCSK株式会社>
2011年10月 住商情報システム株式会社(SCS、1969年設立)と株式会社CSK(1968年設立)が合併して誕生 本社/東京都江東区 正社員数/7350人(男女比は約8:2)
製造・通信・流通・金融のシステム事業、ソリューション事業、ビジネスサービス事業など、システム開発からITインフラ構築、ITマネジメント、BPO(Business Process Outsourcing)、ITハード・ソフト販売までを手掛ける。

残業の有無にかかわらず、残業代を一律支給する「固定残業手当」

 堂々の1位、SCSKの取り組みの中で、他に類を見ないのは「固定残業手当」の支給だ。

 共働き子育て社員にとって、残業の削減や、必要な休みを臆せず取得できる社内の制度や雰囲気はとても大切だ。SCSKでは、社員のワーク・ライフ・バランスの実現を目指す働き方改革として、2013年度から「月間平均残業時間20時間未満」「年次有給休暇20日(100%)取得」を「スマートワーク・チャレンジ(スマチャレ)」として実施し、部署ごとに仕事のやり方を見直し、効率的な働き方を実現すべく全社活動として取り組んでいる。

 当初は、削減された残業代を原資に、部門ごとの目標達成度合いに応じて、賞与に特別加算していたが、2015年度からは残業の有無にかかわらず固定残業手当として支給しているというから驚きだ。支給する額は、月20時間分、中堅クラス以上の社員には月34時間分の手当である。

 そして、これらの活動は目標達成に向けて組織的に取り組んでいる。例えば「残業時間・有給休暇(以後、有休)取得日数」を、毎週開かれる役員会において隔週で報告。特定の組織に負担が集中している場合など、必要に応じて経営リソースの再配置を行うという判断も下す。また、同役員会では、残業時間・有休取得日数の毎月の実績、月中には残業時間・有休取得日数の見込み数値も報告しており、最新情報を役員全員で共有している。

 また、残業時間数の多寡により勤怠認証の役職者を変更するというルールを導入。具体的には、所定外勤務月20時間までは課長が認証し、以降段階的に役職階層が上がり、月80時間超の場合は社長が承認者となる。社長が承認するケースなどは、必要により全社的な対策も講じている。これにより、長時間労働の抑制だけでなく、トラブルなどの異例事態を早期に把握することができ、即座な経営判断ができる体制となっている。

 さらに、長時間労働を抑制するマネジメントへの意識を高めるために、一定時間以上残業した場合や休日出勤した場合に、賦課金(ペナルティー)を組織業績評価に反映する制度もある。月の残業が60時間を超えると通常の時間外手当の「3倍」、80時間を超えたら「5倍」、休日出勤は「1.5倍」の賦課金を該当組織(部・室単位)に計上。ただし、通期のスマートワーク・チャレンジ目標を達成した場合には課金が免除される。

表彰式でスピーチする、「共働き子育てしやすい企業グランプリ2017」、グランプリのSCSK・上席執行役員・人事グループ長・播磨昭彦さん
表彰式でスピーチする、「共働き子育てしやすい企業グランプリ2017」、グランプリのSCSK・上席執行役員・人事グループ長・播磨昭彦さん
<次のページからの内容>
● 有休取得率は、管理職・非管理職ともに9割超え!
● 男性社員が育休を取得すればいい、と考えているわけではない
● 第三子出産時には30万円の祝い金。小学校入学時には20万円
● 女性活躍推進でも実績が上がってきた
● 職場改革は2011年の合併時が起点
● 増収増益が説得力を生む
● 3人の調査アドバイザーが特に評価したポイントとは?

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