特集の5回目は、元日本テレビアナウンサーで、現在は「魚住式スピーチメソッド」で話し方のレッスン講師をしている魚住りえさんに、プレゼンでのスピーチ術についてレクチャーしていただきます。声のトーンや話し方、会話のつなぎ方などのポイントを余すところなく教えていただきました。話すことが苦手だと感じる全ビジネスパーソンは必読です!

【女性エグゼクティブ予備軍のためのスキル&お作法集】
(1) 管理職候補生 何が大変?どんなスキル身に付けたい?
(2) 会議で黙ってみたら、みんなが生き生きとし始めた
(3) 管理職の言葉選び ロジカルに率直に、でも柔らかく
(4) 髙島屋・元代表取締役 人脈作りの大切さ実感したとき
(5) 声質改善・話し方講座 苦手な人も乗り越えられる! ←今回はココ
(6) 服装のミスマッチは、職場で信頼を失うことも?!

<プロフィール>

魚住りえさん
1995年日本テレビに入社。バラエティーやニュース番組を担当したのち、2004年フリーに転身。テレビやラジオのほか、ナレーションなどで活躍しながら「魚住式スピーチメソッド」を立ち上げ、企業や経営者へスピーチレッスンを行っている。年に数十回の講演会をこなす、まさにスピーチのプロ。

声の質や聞こえ方は変えられる

日本テレビアナウンサーで、現在は「魚住式スピーチメソッド」で話し方のレッスン講師をしている魚住りえさん
日本テレビアナウンサーで、現在は「魚住式スピーチメソッド」で話し方のレッスン講師をしている魚住りえさん

 私は局アナウンサーとして10年勤務したのち、フリーランスでナレーションや講演会をする傍ら「魚住式スピーチメソッド」を立ち上げ、話し方の講師をしています。

 企業研修のほか、企業の社長さんなど、様々な立場のビジネスパーソンにレッスンをしていますが、皆さんに多いのは「人前で話すのが苦手」「効果的な伝え方が分からない」という悩み。ビジネスパーソンにとって会議やプレゼンは避けて通れないものだと思いますが、上手な話し方って案外、分からないものですよね。

 プレゼンが苦手だという人の話をよく聞いてみると、「内容はいいはずなのに評価がついてこない」「話す内容に自信が持てない」「そもそも人前で話すことが苦手」「緊張する、あがり症」とお悩みポイントは人それぞれ。けれど、これらはすべて、ちょっとしたコツを意識するだけで、劇的に良くなるものなんです。

 今回は、私が日ごろからレッスンで指導していることや、アナウンサー時代に培ったテクニックをお伝えできればと思います。

声に悩みを抱えている人のほうが多い

 まず、声について。声は服装と一緒です。初めて会う相手に対して、何を着ているかで第一印象が決まるように、声によって相手に与える印象は変わります。大事なプレゼンにパジャマで来られたら、その時点で話を聞く気がなくなりますよね。極端に言うと、話に内容がなくても、声や伝え方が良ければ、人は話を聞いてくれます。そのくらい大切なんです

 自分の声が好きだという方はどのくらいいらっしゃるでしょうか? 「自分の声に自信がある」「いい声してるねとよく言われる」という人よりも、少なからず声に悩みを抱えている人のほうが多い印象です。例えば、声が低い人は「通りづらく聞き取りにくいかも」、逆に高い人は「幼い印象を与え説得力がない」と悩むようです。声は変えられないし……と思うかもしれませんが、トレーニングや意識によって声の質や聞こえ方は変えることができます。

 気持ちを楽にして、背筋をすっと伸ばしてください。実際に声を出して試しながら、次からのページをお読みくださいね。

<次のページからの内容>
● 聞きやすい声にする3つのポイント
● コーヒーを飲むのは講演当日は控えている
● 体のコンディションや服装にもコツがある
● 相手が聞いていない!と感じたときはどうする?
● 「聞く」と「話す」の割合は7対3