2013年11月に創刊して以来、日経DUALは働くママ&パパに寄り添って情報を発信してきました。そして、晴れて創刊5周年を迎えます。「私たちが歩んできた道」はどのような道だったのでしょう。そして、「これから先、歩んでいく道」はどのような道なのでしょうか。共に日系の大手製薬メーカー勤務で、パパが5カ月の育休を2回取得した夫婦と、リクルートキャリア勤務で育休を1カ月取得したパパにお話を伺いました。合言葉は「共働きですから、男女平等で当たり前ですよね?」

【5周年記念号/私たちが歩んできた道、歩む道】
(1) ロールモデルなき新時代に突入するデュアラーたち
(2) 共働き世代が居場所と生き方を暗中模索した5年間
(3) 5年で働きやすさは増し、実力がより物を言う社会に
(4) 日比谷高校から海外大学選ぶ子も 目標は合格の先
(5) 共働きですから、そろそろ皆さん、男女平等で ←今回はココ

育休は夫婦5カ月ずつ。復帰後も毎日、家族全員で夕食

 秋晴れの土曜日、小河智紀さん(仮名・38歳)・珠緒さん(仮名・36歳)のお宅に伺い、お話を伺いました。ちょうど4歳と2歳のお子さんがお昼寝に入ったところです。

 小河さん夫妻は日系大手製薬メーカーの同僚です。お子さんが生まれたときは、珠緒さんが約5カ月の育休を取得した後、智紀さんも約5カ月の育休を取得しました。

 「僕にはもともと共働き同士で結婚をしたいという思いがあり、結婚・出産後もお互いに高め合える関係でいたいと思っていました。そこで、妻が懐妊したら自分も同じぐらいの期間、育休を取るつもりでいて、いざ妻が妊娠するとすぐに会社の制度を調べて、妊娠後、約5カ月で上司に『妻が妊娠しました。産後は育休を取るつもりです』と相談しました」(智紀さん)

 「育休を取ってもいいですか?」ではなく、「育休を取るつもりです」と言い切った智紀さん。幸い、男性上司(50代後半)はとても協力的で、人事部とも連携し、スムーズな育休取得をサポートしてもらえました。妻が2人目を妊娠したときの上司は元同僚だったため、「また取るの?」と聞いてもらえ、このときも何の問題もなく育休を取得できたと言います。

 夫婦共に院卒で、開発研究の同じチームメンバー。2人が育休を取得していた約10カ月間は、チームのメンバーは1人欠けることになりました。「仕事をプロジェクトベースで進めている部署なので、大変だったのはチームメンバーというより、仕事をバランスよくアサインする上司のほうだったのでは、と思います」(智紀さん)

 智紀さんの育休取得は珠緒さんが依頼したわけではありません。「共働きなんだから、家事・育児の負担は半々で当たり前。お互いのキャリアを考えてもそれがベストだと思う」。そう提案したのは、智紀さんのほう。珠緒さんはそんな智紀さんの言葉を聞いて「そうなんだ」と思ったそうです。「ぼんやりとでしたが、自分だけ1年ぐらい育休を取るというイメージを持っていたのですが、夫にそう言われてすごくいい提案だと感じました」(珠緒さん)

 「特に1人目のときは、お腹の中の子どもを守る意味で、実験から離れなければいけない期間が続いていたので、最終的に、約1年半のブランクを経ての実験復帰となりました。もし育休を1年間取っていたら、実験の感覚を思い出すまでにもっと苦労したと思います」と珠緒さん。

 「僕が育休を取っている間は、むしろ、会社で働いている妻のほうがラクだったと思います。食事もすべて準備してもらえるし、保育園の迎えにいく必要もありませんから(笑)。でも、妻の育休中は僕のほうがラクだったので、これも平等です」(智紀さん)

 今現在の小河家のタイムスケジュールは以下の通り。

 「19時30分には家族4人で食卓を囲み、22時には皆一緒に寝ます」。この就寝時間にも理由がありました。

<次のページからの内容>
● あえて家の中の役割分担はしない 「共働きは平等で当然」
● 夫婦とも5時台に起き、7時まで勉強タイム
● 「ここまで家事・育児をやってくれる夫とは思わなかった」
● 2人目の積極パパはリクルートキャリア勤務
● 妻がポツリ「また同じことを繰り返したくないの」
● “無茶ぶり”という悪評を挽回し、MVP取得を達成!