「本物体験」を補う「楽勉グッズ」

図鑑

 まず、おすすめなのは図鑑です。図鑑というと、親世代のなかには「あまり面白くないもの」という印象をもつ方もいるかもしれません。昔は博物型の図鑑が中心で、「昆虫図鑑」なら昆虫の写真がただ羅列されていました。でも今はテーマ型の図鑑が人気です。「くらべる図鑑」「一生の図鑑」「ひみつの図鑑」など、出版各社から興味深い図鑑シリーズがたくさん出ています。もともと子どもが興味を持ちそうなテーマを選んで編集してあるので、どれもとてもおもしろいです。昔ながらの博物型の図鑑ももちろん存在しますが、こちらも写真が大きくキレイになっており、説明や小ネタも豊富で分かりやすいです。DVDが付いているものもあり、以前の印象よりも親しみやすくなっているでしょう。

 例えば昆虫図鑑が好きで、ずっと読んでいる子が、本屋さんに行って、別の昆虫図鑑をほしがったとします。そのとき、あなたならどうしますか。「昆虫図鑑はもうあるでしょう。他の図鑑にしようか」と声をかけるでしょうか。

 もちろん、昆虫から動物、魚…などに興味を広げていくことも大切です。でも今、昆虫にはまっていて、昆虫図鑑をほしがったら、2冊でも3冊でも与えてあげることをおすすめします。そうすると子どもは、2冊目、3冊目も熟読して、「この図鑑と、この図鑑では、同じ虫なのに解説が違うんだけど何で?」と気づくことがあるかもしれません。そして、編集部にお手紙を送るかもしれません。また、図鑑を比較して夏休みの自由研究にした子もいます。

 何かに夢中になり、その分野を突き詰めていくと、子どもは興味を深めることの楽しさを知ります。どんどん詳しくなることで自信もつくし、自己実現の楽しさも味わうことができます。そうすると、子どもは自分の人生で自ら色々なことに興味を持ち、主体的に追究していけるようになります。

 一方で、子どもは飽きることも多いです。お母さん・お父さんは「飽きたら深追いしない」ということを心に留めておいてください。「せっかく買ったのに!」「明日から毎日読みなさい!」などとは、言わないようにしましょう。

学習漫画

 学習漫画も楽勉には効果的です。老舗といっていい学研の「ひみつシリーズ」をはじめとして、フルカラーで子どもたちに人気の「サバイバルシリーズ」、キャラクターの魅力で引きつけるものなど、様々な本が出ています。漫画なので手に取るハードルが低く、記憶にも残ります。歴史漫画も色々な出版社から出ていますが、早い子だと小3くらいから夢中になって読み始めますね。教科書だと、一人の武将や将軍について、せいぜい1~2ページで触れる程度ですが、歴史漫画だとまるまる1冊にわたって紹介されていることもあります。情報量が半端ではなく、興味を深めることができます。

地図・地図帳・地球儀

 地図、地図帳、地球儀はそれぞれ家にあるといいでしょう。地図はトイレなどに貼っておきましょう。北海道は牛のイラスト、静岡はお茶のイラストなど、ビジュアルが豊かなものなら、自然に特産物などを覚えることができます。

 地図帳は知識を深めるために有効です。例えば、テレビ番組で「アメリカ・アイダホのトウモロコシ畑」が出てきて興味をもったら、地図帳を開きます。アイダホにマーカーをひく、もしくは付箋を貼る。だんだんにマークした箇所や付箋が増えていきます。そしてそのページを開くと、テレビで見たアイダホの、見渡す限り広がるトウモロコシ畑が頭の中によみがえります。

 地球儀は、くるくる回すと海ばかりの面などが出てきて、海や陸地の広さや陸と陸の距離感が分かりますよね。ぜひ一家にひとつ置いてください。