小学生の子どもたちはユーチューブ(YouTube)が大好きです。アニメ動画を見たり、ユーチューバーたちのゲーム実況や「やってみた」系の動画を楽しむ小学生は増えていて、「将来なりたい職業」上位にもユーチューバーがランクインしています。でも、1日中ユーチューブを見ている、知らないうちに投稿しようとしていた、など、子どもとユーチューブやネットの付き合い方に悩んでいるママ・パパも増えているかもしれません。

 前回の記事では、ユーチューブにまつわるトラブルと危険性、正しい付き合い方や視聴制限などを紹介しました。この記事では、もう少しポジティブな視点で、ユーチューブや動画発信などを通じて培われる力、これからの子どもたちが生きていくうえで、身に付けるべき力について、2人の専門家の話をお届けします。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1)ユーチューブや動画投稿のトラブル、注意したいこと
(2)ユーチューブで培われる「発信力」と「自己効力感」 ←今回はココ
(3)子どもを非行・犯罪に走らせない「アクセプター」とは
(4)反抗的な態度や性への興味は、犯罪につながる?

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

めざせユーチューバー!これからの時代を生き抜く「発信力」

 ソニー生命の「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」(2017年4月)で将来なりたい職業について聞いたところ、男子中学生の3位(17.0%)、女子中学生の10位(6.0%)が「YouTuberなどの動画投稿者」でした。※1

 「ユーチューバーは子どもたちにとって身近な職業になりつつあります」とITジャーナリストの高橋暁子さんは指摘します。

 ビッグローブの「子どものスマホ動画視聴に関する調査」(2017年2月)によると、小学生の55.3%はユーチューバー動画を視聴しており、高学年になると7割近くが視聴していました。ユーチューバーは特に小学生に高い人気を誇っています。

 なお、子どもが好きなユーチューバーは1位が「HIKAKIN」、2位が「はじめしゃちょー」、3位は「Kan & Aki’s CHANNEL」だという。「ゲーム実況や『やってみた』系動画、玩具レビュー系などが人気のジャンルになっています」(高橋さん)※2

ユーチューバーは子どもたちにとって身近な存在で、直接SNSなどで話しかけることもできる
ユーチューバーは子どもたちにとって身近な存在で、直接SNSなどで話しかけることもできる

なぜユーチューバーになりたいのか?

 なぜ子どもはユーチューバーになりたいのでしょうか。「日頃からユーチューブやユーチューバー動画に接していることが背景にあり、『好きなことで、生きていく』というグーグルのキャンペーンによって認知度が上がったことも影響しているのでしょう」

 「また、HIKAKINやはじめしゃちょー、木下ゆうかなど、ユーチューバー出身の著名人は多く、波田陽区や日本エレキテル連合など芸能人がユーチューブに進出している例もあります。テレビではなくネットを見る子どもが増えている今の時代、ユーチューバーが芸能人的な憧れの存在となるのはある意味当然のこと

 ユーチューバーは身近な存在で、直接SNSなどで話しかけることもできます。好きなことをして楽しそうでしかも有名になれてお金も稼げるとなれば、子どもたちが憧れるのも無理ないと言えるでしょう。

<次のページからの内容>
● ユーチューバーの収入は?
● 学校の授業に活用されている例
● 子どもたちには「発信したい欲」がある
● 人に役立つために頑張ってアウトプットする力
● 作り続けること、学び続けることは表裏一体