「ついこの間までママ、パパと甘えん坊だったわが子も小学校中学年にもなると、親から離れていきます。そのうち「うるさい、クソババァ」なんて言うのではないかしら、とわが子に思春期が訪れる日を心配している親も多いのではないでしょうか。そこで今回は、まもなく思春期を迎えるのわが子の変化に備えて、親として準備しておきたいことを、三浦真弓さんにお聞きしました。三浦さんは公立中学校で19年間養護教諭として経験を重ね、現在は、一般社団法人生涯学習開発財団の認定コーチとして思春期の子供に対する向き合い方の指導を行っています。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 脳とコミュニケーションに効く厳選ボードゲーム
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(3) 思春期の親子危機を救う土曜夜のぶっちゃけトーク
(4) 思春期の子どもを「積み木くずし」にしない方法 ←今回はココ!

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

子どもは成長していく 必要なのは親の意識の切り替え

 三浦さんが日ごろからアドバイスしているのは「親側の意識の切り替え」です。

 「7つ、8つ、9つと“つ”で数えられる年齢を脱して、ティーンエージャーとなったころから、親自身が子どもの変化を受け入れる態勢を整えていきましょう」。

 子どもは小学3~4年生ごろになると、親の言うことを100%受け入れるのではなく、「本当は違うのでは?」と親を疑う意識が芽生えてきます。ターニングポイントとなるのが10歳なのだそう。そんな子どもの変化を理解する受け皿を用意しておかないと、親の動揺が子どもに伝わって、無用な距離が生まれてしまうのです。

 「思春期になると子どもは学校のことをあまり話してくれなくなります。親は何かあったのではと心配するかもしれませんが、そんなときはむやみに聞き出そうとせず見守る姿勢を貫きましょう」と三浦さんは話します。「口は出さなくても関心は示し続けてください。子どもの態度がそっけなかったとしても、子どもは親が自分に関心を持ってくれることを望んでいます。見守る、というと何もしなくていいのかと思うかもしれませんが、“見放す”と“見守る”は違います」

<次のページからの内容>
● 部屋が散らかるのは子どもが迷っているというサイン
● 子どもに否があるときは親は謝る姿を見せる
● スマホのルールは親子で決めると子に責任感が芽生える