「中学受験で太っちゃった」はよくある話。でも、その太り方によっては将来にわたる健康リスクを負う原因にもなると、子どもの肥満に詳しい管理栄養士の太田百合子さんは言います。肥満のリスクとともに、忙しくても子どもの健康を管理できる「塾弁」の作り方、外食メニューの選ばせ方について教えてもらいました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 中学受験期は「1日4回食」で肥満を防ぐ ←今回はココ
(2) 共学と別学、子どもの学力を伸ばすのはどっち?
(3) 志望校選び 優秀な友達に囲まれる環境本当に良い?

運動不足・食事時間の乱れが肥満を誘引

 受験勉強が本格化する中、気を配ってあげたいのが、子どもの食生活。とはいえ、働く親にとって塾に行く前に食べる食事を用意したり、塾弁を作ることはハードルが高いのも事実。塾から帰宅する夜遅い時間に夕食を食べさせたり、塾前食や塾弁をコンビニエンスストアやファストフードで買わせるという家庭も少なくありません。

 こうした共働き家庭特有の事情に理解を示しつつも、「受験期間の『急激な肥満』には気をつけてほしい」と話すのは管理栄養士の太田百合子さんです。

 「受験勉強に忙しい子が運動不足になるのは当然ですし、塾通いから食事時間が乱れてしまうのもしょうがないことだと思います。けれども、こうした条件が重なると肥満のリスクが増えることも事実です。特に、小学校高学年の高度な肥満は成人後の早い時期に、高血圧、糖尿病、肝機能障害などといった生活習慣病を発症させるリスクにつながるので注意が必要です。

 食事時間という観点から言えば、授業の合間に塾弁を食べる時間があるのならば、正しい時間に食事が取れるため、なるべく持たせたいところですが、塾弁作りは大変ですよね。ですからコンビニやファストフードで食事を買わせるのも1つの選択肢としてアリだと思います。ただ、メニューの選び方を誤れば、やはり肥満のリスクを高めることになってしまいます。授業の合間に塾弁を食べる時間がない場合、帰宅後の遅い時間に食べることになりますが、そうした食べ方もやはり肥満リスクを高めます」

 運動不足、食事時間の乱れなど、肥満を誘引する要素が増える受験生を、共働き家庭では食事と栄養面からどのように支えていけばよいのでしょう? 次のページから、受験生の肥満対策と、塾弁の考え方について、太田さんに教えてもらいます。