「○○じゃなきゃダメなんだよ」「○○じゃないとみんなに嫌われちゃう」――。社会や学校にある「同調圧力」。「みんなと同じじゃなきゃいけない」という言動を子どもがしたとき、親はどうしたらいいのでしょうか。親が考え方や子どもへの接し方を変えることで、子どもに変化をもたらすことができる、とアドバイスする熊本大学教育学部准教授の苫野一徳さんに前編に引き続き聞きます。
【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 学校内にある「同調圧力」 親はどう考えたらいい?
(2) 「空気を読む」子にしたくない 親がかけたい言葉は ←今回はココ
(3) 友達にノーと言える?前提を知れば「上手に断れる子に」
コロナ休校後にまずやるべきだったこと
社会や学校にまん延する「同調圧力」。「子どもたちが『空気を読む』ことをよしとし、『空気』に支配させてしまっているのは、大人の責任です」と、自身も小学生2人の子育て中という教育学者の苫野一徳さんは言います。
今春のコロナ禍による一斉休校は、多くの人が教育について考え直すきっかけとなりました。「同じ年齢の子どもたちを、教室という同じ場所に入れ、同じ時間に同じペースで横並びに勉強させるという、現在の教育システムはまずいのではないか、と多くの人が気づき、それが確信となって広がったことはよかったと思います。
しかし学校再開後は、オンライン教育のオの字もなかったかのように、とにかく元へ戻さなきゃという力学が働き、それによって先生も子どももますます忙しくなり、ひずみが生じていることをとても残念に感じています」
学校再開時に大人がすべきことがあったと言います。「ごく一部の学校ではしていますが、この時期だからこそ、どんな学校だったらもっと意義深く過ごせるのかなど子どもたちの話を聞くべきだったと思います。学びや学校の在り方について、一から考え直すまたとない機会でした。未曽有の事態に大人もどうしていいか分からず、夏休みの短縮や行事の削減など、焦ってすべて大人が決めてしまいました」
学校の構造に課題がある一方で、小さい頃から子どもが家庭で親から受ける影響は大きいと苫野さんは言います。「空気など読まずに、自分の頭で考えられる人間に育ってほしい」と願っていても、親自身も社会で同調圧力を感じることが少なくないため、言葉を濁してしまう場面があるかもしれません。
「これからの世の中は、自分の問いや探究を大事にして、やり抜ける力が必要になります。空気なんか読んでいる場合ではありません」。苫野さんは、親がマインドセットを新たにし、子どもへの接し方を少し変えることで、子どもに変化をもたらすことができるとアドバイスします。
次ページから詳しく紹介します。
次ページから読める内容
- 「同調圧力」がまん延する現実とはどう折り合う?
- 大事にしたいことを共有すれば安心できる
- 「人様に迷惑をかけてはいけない」という考え方のデメリット
- まずは親のマインドセットの変化が必要
- きょうだいげんかもチャンス
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