「みんなと同じじゃなきゃいけない」――。社会にまん延する「同調圧力」は学校内にもあり、いじめや不登校の原因になるとも指摘されています。なぜ子どもたちは空気を読んでしまうのか、親はどう考えたらいいのか。教育学者で、自身も小学生2人の子育て中という苫野一徳さん(熊本大学教育学部准教授)に聞きます。

【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 学校内にある「同調圧力」 親はどう考えたらいい? ←今回はココ
(2) 「空気を読む」子にしたくない 親がかけたい言葉は
(3) 友達にノーと言える?前提を知れば「上手に断れる子に」

自由にしている人に「ずるい」と感じてしまう

 服や持ち物を選ぶときや行動を決めるとき、子どもが「○○じゃなきゃダメなんだよ」「○○じゃないと浮いてしまう」「○○じゃないとみんなに嫌われちゃう」などと言い出したことはありませんか。

 子どもには、空気を読みすぎる人になってほしくないと思う一方で、それができないと学校でいじめられたり、社会で困ったりするのではないかといった一抹の不安があり、モヤモヤした気分になるという親は少なくないでしょう。

 「一人ひとりに聞くと『みんな同じである必要はない』と思っているにもかかわらず、それが集団になった途端、過剰に周囲を気にして、空気を読み合い、みんなと同じ言動に流れてしまう。本心では誰も望んでいないのに、同調圧力が働く状況は、誰にとっても不幸だと思います」。そう話すのは教育学者で、熊本市の教育委員も務める苫野一徳さんです。

「みんなと同じじゃなきゃ嫌われちゃう」  (困惑顔の親) 親「!?……」  (心の中の吹き出し内) 空気を読んでばかりいる大人にはなってほしくない でも、いじめられたらどうしよう……

 「今の小学生は、しばしば、学校内であれもダメ、これもダメといったルールに縛られ過ぎて、自由にしている人に対して『ずるい』と感じてしまう傾向が少なからずあると思います」

 そもそも、なぜ子どもは空気を読むのでしょうか。「複数の要因があると思いますが、一つの大きな理由は、学校が構造的に抱えてしまいがちな『みんな一緒』を過度に求める傾向です」と苫野さん。

 親が今すぐ学校の構造を変えることは難しいですが、その課題を理解することが、多様化する今後の社会で子どもたちがより幸せに生きるための手がかりになります。実は、多くの学校や親が、子どもに提示できていない大事なポイントがあると苫野さんは言います。

次ページから読める内容

  • 学校というシステムにある構造的な問題
  • 多様性が大事と言いながら多様性を見えなくしている
  • 公教育で子どもに学ばせたいことは?
  • 「ルールの本質」を知らないことの弊害
  • 学校だけでなく親にも原因がある

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