「キレる」「暴れる」といった問題行動をとる子どもは、「生きづらさ」を抱えている可能性があると、児童精神科医で立命館大学教授の宮口幸治さんは話します。前編「家の中ですぐキレるわが子 親のNG対応とは?」に続き、本記事では、生きづらさを抱えて学校でもキレてしまう子に焦点を当て、その背景にある認知能力の弱さやトレーニング方法について、詳しく聞きました。 。

【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 家の中ですぐキレるわが子 親のNG対応とは?
(2) 学校でもキレる子の背景に生きづらさ 「境界知能」とは ←今回はココ
(3) 高学年女子のやる気のスイッチは「身近にいる憧れの人」
(4) 高学年男子の伸ばし方 「苦手の克服」に固執しすぎない

生きづらさを感じる子どもたちの背景

 学校で友達とうまくやれない、勉強をしても結果が出ない……。そんな生きづらさを感じている子どもたちの中には、発達障害や知的障害には該当しないものの、一定の支援が必要な「境界知能」に位置づけられる子どもたちがいると宮口さんは指摘します。

 「『境界知能』は正常域と知的障害の間に該当する、IQがおよそ70~84の領域で、発達レベルは健常児の8割くらいです。『知的障害グレーゾーン』とも言われ、はっきりと知的障害の診断まではつかないものの、IQは正常域でもなく、さまざまな困難さを抱えた人たちがこれに相当します。『境界知能』の人は、子どもの割合では約14%いるとされていて、小学校の35人クラスでは約5人の割合でいる計算になります」

 「知的障害や発達障害と診断されれば特別支援の対象となりますが、軽度の知的障害である境界知能は気づかれにくいのです。学習が苦手な子、やる気がない子、落ち着きがない子、扱いにくい子として認識されるだけで、適切な支援につなげられていないのが現状です」と宮口さんは言います。

 「境界知能」に相当する子どもには、次のような特徴が見られるといいます。

□ 見たり、聞いたり、想像したりする力が弱い
□ 感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる
□ 人の気持ちが分からずトラブルになる
□ なんでも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い
□ 自分の問題点が分からない
□ 人とのコミュニケーションが苦手
□ 力の加減ができない、身体の使い方が不器用

 「境界知能」の子どもは、具体的にどのような場面で困難さを感じるのでしょうか。また、どのように困難さをカバーすればいいのでしょうか。次ページから具体的に紹介します。

次ページから読める内容

  • 問題行動の背景にある「不足している力」
  • 「不器用で困っているかも…」 家庭でできるトレーニング

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