スポーツ選手などが、幼い頃の習い事をきっかけに才能を開花させたケースを耳にすることがあります。しかし、親の対応次第で、子どもの才能を伸ばすべく始めた習い事が、逆に子どもの自己肯定感を下げてしまうことも少なくないといいます。そうならないための親の心得を、学習塾などで3500人以上の生徒の指導に関わってきた、教育デザインラボ代表理事の石田勝紀さんに聞きました。

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続けることを重視しすぎることにはリスクがある

 「夢中になれる習い事を見つけて、わが子の才能を開花させてあげたい」。そう考え、幼い頃から子どもにさまざまな習い事をさせている親は少なくないでしょう。しかし、「絶対、続ける!」と約束して始めた習い事に対し、子どもが、こんな態度をとるようになったらどうでしょうか?

 習い事をめぐる親子のこんなやりとりは、よくある光景です。しかし、教育デザインラボ代表理事の石田勝紀さんは「親のこうした対応は、子どもの自己肯定感を下げることにつながりかねません」と話します。

 「何でもすぐに投げ出す子になってほしくない、という気持ちは分かります。ただ、当初の目的は、『夢中になれるものを見つけて、子どもの才能を開花させたい』だったはず。続けることばかりを重視してしまうと、子どもには、『自分は中途半端に投げ出してしまうダメな人間』『何をやっても最後までやり遂げられない子』といったネガティブな感情が残ってしまいます。それにより、『学ぶこと=嫌い』となってしまうのは、子どもの人生において、習い事をやめることよりよっぽど深刻です

 子どもの可能性を広げるはずの習い事で、学ぶ意欲を失ってしまうのでは本末転倒です。石田さんは、習い事を豊かな人生経験にするためには、4つの「親のマインドチェンジ」が必要だと説明します。

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