8月上旬は例年なら夏休み真っ盛り。新型コロナウイルスの影響が続く今年は、それとは全く違う状況になっています。子どもたちの抱えるストレスについて、日本スクールソーシャルワーク協会会長で、長年にわたり子どもたちを支援し、大人の関わり方への提言も続けている入海(いるみ)英里子さんに話を聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
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(3) 成長期の高学年 必要な栄養取るために知りたいこと

「空気が読める子」ほどストレスを抱えている

 文部科学省の調査によると、新型コロナウイルスの影響で休校した自治体のうち95%が夏休みを短縮しています。小学校では、夏休みを16日間にする学校が最多で、次が23日間となっています。最も短い日数は9日間です(「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた公立学校における学習指導等に関する状況について」より)。大幅に短縮されて迎える夏休み、子どもたちはどのような気持ちで過ごしているのでしょうか。


 入海さんは今の子どもたちは静かにストレスに侵食されている状態だと話します。「今すぐ爆発するケースは少ないと思いますが、2学期、3学期、あるいはもっと先に影響が出る恐れがあります。それよりも、今、大声を出したり暴れたりするほうが、ストレスを発散できる分、子どもの心の健康には負担が小さいでしょう。でも、いい子、言い換えると『空気が読める子』はそれができず、自分の中にストレスをため込んでしまっているのではないかと思います

 それはなぜなのでしょうか。