帝京大学教育学部教授で、初等教育を専門とする勝田映子さんは、「子どものお手伝いは社会参画の第一歩」と話します。子どものお手伝いを「家族ならやって当然」と捉えるのではなく、認めて感謝することで、子どもの自己肯定感を高めることにもつながるそう。また、お手伝いに積極的に取り組んだ子どもは、段取り良く動くことができる、コミュニケーション能力の高い子どもに育つといいます。今回は「子どもが約束したお手伝いをしようとしないとき」の具体的な声かけの仕方や、継続のコツなどについて紹介します

【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 子どものお手伝い 付箋とタイマーで習慣化を促す
(2) 子が約束したお手伝いをしない 親の声かけ注意点 ←今回はココ
(3) 自然を通しての「探求」で高学年の視野を広げる
(4) 高学年の読書感想文3つのコツで「自分らしく」書く

子どもがサボったり、やらなかったりするときはどうする

 「子どものお手伝い 付箋とタイマーで習慣化を促す」では、子どもがお手伝いをすることの意義を伝え、家事を「見える化」し、子どもが選んだお手伝いをまずは継続してもらうための方法をお伝えしました。しかし、子どもが慣れてきて自分のペースでお手伝いをするようになると、お手伝いをやらなかったり、忘れてしまったりする日もあるでしょう。

 「漫画を読み終わったら食器を洗うから」「ゲームが終わったらお風呂掃除をするから」などと言いながら、なかなかお手伝いを始めない子どもに対して、親がしびれを切らして「きょうはやらないの?」と促したり、「やってないじゃない!」とイライラして叱責したりすることがあるかもしれません。

 勝田さんは、その場合は、なぜやらないのか理由を聞いてみることが大切だといいます。「『きょうはお手伝いをしていなかったみたいだけど、どうかした?』と聞いてみましょう。単純に忘れていたという場合もありますが、子どもなりにさまざまな事情があるのかもしれないので、頭ごなしに叱らないことはとても大切です。

 感情的にならずに理由を尋ねれば、『ゲームをすることが楽しくなって、忘れちゃって……』などと、理由を話してくれるでしょう。『そうだったんだね』と、まずは話してくれたことを受け止めましょう。

 その上で、『じゃあどうしたらいいかな?』と子どもの決断に委ねます。子どもも、自分でやると決めたお手伝いなのに、やらなくて悪いな、という気持ちがあるので、『きょうはできなかったけど、あすはやるよ』などと、前向きな言葉が出てくるはず。そこで、すかさず、『やる気になってくれてうれしいよ』などと、子どもを応援してあげましょう」

 お手伝いを通して子どもに身に付く力は多岐にわたります。続けることで忍耐力や段取り力、責任感や思いやりの心も育まれるでしょう。しかし、そうした力などは、親からの押し付けからではなく、子どもが自発的に行うことで養われるのです。そのために重要なのが、子どもが「お手伝いをサボったとき」の親の見守り方。次ページから具体的に紹介します。

次ページから読める内容

  • 一旦任せたら、手も口も出さないこと
  • どうしてもこの部分を指摘したい。そんなときはどう伝える?
  • 「ありがとう」の言葉は子どもの自己肯定感を育む

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