授業参観に行っても一度も手を挙げない、人前に出るとモジモジして黙り込む。周りの子は積極的に発言しているのに、どうしてうちの子は…とお悩みの親は多いようです。これは持って生まれた性格だけではなく、話す力をトレーニングしていないからなのだとか。様々なカリキュラムを通して子どもの言葉の力を育てる講座「ことばキャンプ」などの活動を行っているNPO法人JAMネットワーク代表の高取しづかさんと、「ことばキャンプ」インストラクターの菅澤京子さんに、家庭でできる発信力・コミュニケーション力の育て方を教えてもらいました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 発言が苦手でもトレーニングでプレゼン上手になれる ←今回はココ
(2) 「発言力」を奪う親の行動 教育熱心な人ほど注意
(3) 本気のサッカー少年、勉強との両立・将来の進路
(4) 熱意、ポジション、自主練… サッカー親のQ&A

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

アメリカで知った“言葉で気持ちを伝えること”の大切さ

「ことばキャンプ」の高取しづかさん(左)と菅澤京子さん
「ことばキャンプ」の高取しづかさん(左)と菅澤京子さん

 米国での子育てを経験した高取さんと菅澤さんは、日本人の発言力のなさに気づいて、がくぜんとしたと言います。

 「アメリカで暮らすようになって困ったのは言葉でした。もちろん英語という問題もありましたが、それ以前に『日本語で自分の気持ちや考えを伝える力が足りない』ということに気づきました。アメリカではお友達に『遊びたい』と自分から言わないと、仲間に入れないのです。言葉で意思表示をしないと『遊びたくないんだな』と思われてしまいます。日本だったら察してくれますよね。また学校では『青い紙と赤い紙、どっちがいい?』『この場面を見てどう思う?』などいちいち聞かれて、渡米したばかりの子どもたちは戸惑っていました。日本だったら、自分の意思を聞かれる場面は少ないですよね」

 「このようにアメリカでは、自分の意思や考えをしっかり言葉で主張することが子どもも大人も必要でした。日本では謙虚さを美徳とし、空気を読んだり『察する文化』。渡米したばかりの頃、英語の壁だと思ったのは『以心伝心』察することで伝えあう文化と『言葉を使って自分を伝える文化』、その文化の違いなんだと痛感しました」

 欧米では幼いころから発言するトレーニングをしていることを知り、高取さんと菅澤さんは現地の幼稚園、小・中・高と様々な学校を訪問しオーラルコミュニケーション(話す、聞く)の授業を見て研究、さらに日本文化に合ったトレーニング法を考案しました。現在では「ことばキャンプ」でのレッスンを軸に、全国の悩める親子に向けて言葉の力を身に付けるための活動をしています。

 「友達といい関係を築くとき、大人になって仕事をするとき、生きていくうえでコミュニケーション力はかかせません。この力は性格や持って生まれた才能や国民性だけではなく、練習で身に付けることができるんです。コミュニケーション力はトレーニングで上達することは研究でも明らかです

2020年教育改革で「発言できない子」は落ちこぼれる可能性が

 2020年から、学校の指導要領が改定され、「主体的・対話的で深い学び」を取り入れた授業が実施されます。「能動的学習=アクティブ・ラーニング」への転換が必要だとされた教育改革です。

 その特徴とは
・ただ聞いているだけの授業ではない
・課題の発見・解決に生徒たちが能動的、協働的に取り組む
ということです。

 今までは静かに座って先生の言うことを聞いてテストの点が良ければ優等生だったのに、2020年からは主体的に発言する生徒が評価される時代になっていくわけです。急激な変化にわが子がついていけるのか、不安ですね。

 「従来とは全く違う授業が始まリます。主体的な学びといっても、いきなり皆ができるわけではありません。言える子は言う、言わない子は言わないという差が広がっていくはずです。自分の考えをまとめて発表する、相手の話を聞いてそれに対して応答する、意見を出し合って話し合って結論を出す……こんな高度なコミュニケーション力を急に求められても無理ですよね。このままでは発言しない子は落ちこぼれてしまいます」(高取さん)。

 落ちこぼれないためには何が必要なのでしょう。聞かれても何も喋れない、授業中の発言すらできない子は、一体何からトレーニングすればいいのでしょうか?

<次のページからの内容>
● まずは何でもいいから言葉を口に出す、度胸をつける
● 「いつか喋れるようになります」をうのみにせず、早く対処したほうがいい
● 思慮深く、周りの空気を敏感に読む子ほど話せない
● 度胸力や論理力を育てるワーク
● 選択させる、自分で考えて選ぶ力をつけるには
● 家で話さない子、親が質問攻めにしていない?

次ページから読める内容

  • 発言しない子でも、自分の気持ちが必ずある
  • 選択を迫られると、子どもは自分の心の中をのぞく
  • 話すのが得意な子と苦手な子、何が違う?
  • 一番大切なのは、家庭の中で楽しむこと

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