テレビ、タブレット、携帯ゲーム機器、スマートフォン……今の子どもはデジタル機器と接する時間が長く、その付き合い方が課題になっています。親にとって厄介なのがアプリやゲーム。「勉強用(のアプリやゲーム)」をどこまで認めるのか。どう線引きすればいいのか。「勉強のやり方」を教える学習塾、プラスティー教育研究所の八尾直輝さんに聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 化粧、ネイル、カラーリングしたいと言われたら?
(2) どこまでが勉強、どこから遊び? アプリの線引き ←今回はココ
(3) 塾での学習 復習力を高める3ステップのノート術
(4) 家庭学習 ノートの使い方で伸び方が変わる

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

「子どもは自己管理ができない」を前提に

 子どもがゲームをし過ぎるとどんな影響があるのでしょうか?

 文部科学省ではテレビゲームを全くしない子と1時間より少ない子の学力は大きく変わらないものの、1日1時間以上ゲームをしている子は利用時間が長くなるのと相関して成績が低いという調査結果を発表しています。

「平成28年度全国学力・学習状況調査」(文部科学省) 質問(12)「普段(月~金曜日)、1日当たりどれくらいの時間、テレビゲーム(コンピュータゲーム・携帯式のゲーム・携帯電話やスマートフォンを使ったゲームも含む)をしますか」を基に日経DUAL編集部が作成。いずれも4時間以上が低く、ゲーム時間が短くなるほど向上する傾向があった(初出は「高学年 将来の可能性を育むゲームとの付き合い方」)
「平成28年度全国学力・学習状況調査」(文部科学省) 質問(12)「普段(月~金曜日)、1日当たりどれくらいの時間、テレビゲーム(コンピュータゲーム・携帯式のゲーム・携帯電話やスマートフォンを使ったゲームも含む)をしますか」を基に日経DUAL編集部が作成。いずれも4時間以上が低く、ゲーム時間が短くなるほど向上する傾向があった(初出は「高学年 将来の可能性を育むゲームとの付き合い方」)

 ゲームのし過ぎ、デジタル機器の使い過ぎには弊害があることが見てとれるでしょう。

 一方で、今の小学生は学校でタブレットが貸与されるなど、デジタル教材の学習面での活用も進んできています。親にとっては「ゲーム」に見えるアプリでも、「勉強になる」ものであれば、すべてダメとは言いにくいもの。「身に付くから」と際限なくさせておいていいのでしょうか?

<次のページからの内容>

● 家庭内のルール作りのポイントは?
● 単なる遊びのゲームなのか学習アプリなのかどう決める?
● 「役に立つからやっていい」は間違っている?
● アプリ(ゲーム)はどうやって選ぶ?