高学年になると特に女の子はおしゃれへの関心が高まり、服装だけでなく体に直接施すファッションにも敏感になります。

ではもし、子どもが「化粧」「ネイル」「カラーリング」をしたいと言い出したら? 親として、どう答えればいいのでしょうか? 体への影響はないのでしょうか? ナビタスクリニック新宿皮膚科の近藤泰輔さんと、公認心理師でブリーフセラピストの戸田さやかさんに聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 化粧、ネイル、カラーリングしたいと言われたら? ←今回はココ
(2) どこまでが勉強、どこから遊び? アプリの線引き
(3) 塾での学習 復習力を高める3ステップのノート術
(4) 家庭学習 ノートの使い方で伸び方が変わる

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

 小学校高学年になるとファッションへの関心がグッと高まります。小中学生向けのファッション誌を見て、モデルたちに憧れ、人気のブランドの服を欲しがるようになることもあるでしょう。

 では子どもが「ネイルをしたい」「化粧したい」「髪を明るくカラーリングしたい」など、体に直接施すファッションに興味を持ち、自分でもやってみたいと言い出したら? 親として、なんと答えたらいいのでしょうか。

 まずは医学的な視点でナビタスクリニック新宿皮膚科の近藤さんに聞きました。

Q1:スキンケアはどこまでOK?

A1:洗顔フォームは皮脂が出始める10歳前後から。保湿が重要

 化粧といっても基礎化粧からメーキャップまでさまざまです。

 基礎の基礎、洗顔フォームについては「原則、皮脂が出始める頃ですので、一般的には性ホルモンの影響を受ける10歳ごろなら使用開始していいでしょう。ただし、ぬるま湯で洗うだけでも十分皮脂が落ちることがありますし、個人差もありますので、年齢ではなく個々の皮膚の状態で決めてください」と近藤さん。

 「洗顔の仕方も大切ですが、洗顔後の保湿が大切です。洗顔時の注意点は、アメリカ皮膚科学会(AAD)のまとめが参考になります」

アメリカ皮膚科学会(AAD)による洗顔の注意点

1.アルコールの入っていない、摩擦を引き起こさない洗顔料を使用する。
2.ぬるま湯で顔を濡らし、洗顔料は指先に付けて使う。洗顔クロスやメッシュスポンジなど、指先以外のものを使用すると、肌の刺激になり得るため使用しない。
3.スクラブは皮膚を刺激してしまうので使わないようにする。
4.ぬるま湯で洗い流し、柔らかいタオルで軽く拭く。
5.肌が乾燥している、またはかゆみがある場合は、保湿剤を塗布する。目の周りは繊細なので強く引っ張らないように優しく保湿剤を塗るようにする。
6.1日の洗顔回数は朝に1回、夜に1回と、汗をかいた後にする。特に帽子やヘルメットをかぶっていると、発汗によって皮膚に刺激が与えられるので、なるべく早く洗うといい。

 では洗顔後の保湿にはどのような基礎化粧品を使えばいいのでしょうか。大人が使うような化粧水を使うとニキビの原因になるという説もありますが、「個々の皮膚の状態によって異なりますが、一般的に健康的な皮膚の状態(乾燥している、敏感などではない)であれば、大人が通常用いているもので問題ないと思います」(近藤さん)。ただしニキビ肌(オイリー肌)に関しては少し注意が必要で、オイルフリーやノンコメドジェニックと表示のあるものを使用したほうがいいといいます。

 となると基礎の基礎となるスキンケアは高学年から始めても問題がなさそうですが、では、ファンデーションやアイメークなどのいわゆるメークについてはどうなのでしょうか。リスクはないのでしょうか。

<次のページからの内容>

● Q2:ファンデーションを使うとニキビができる?
● Q3:ジェルネイルは小学生も使えるの?
● Q4:カラーリングで髪が薄くなることがある?
● 話し合いポイント1:反射的にマウントを取ろうとしない
● 話し合いポイント2:「なぜやりたいと思ったのか」を整理する
● 話し合いポイント3:「よそはよそ、うちはうち」という理由はNG
● 子どもの話にオチを求めないで聞く