新型コロナによる休校期間中に、デジタル端末に接触する時間が増えた子どもは多いのではないでしょうか。習い事や塾のオンライン授業でスマートフォンやタブレットを利用する機会が増え、小学校高学年くらいになると自分専用のスマホを持ちたがるケースも増えてきます。内閣府発表の「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、小学生の自分専用スマホの所持率は平成30年度で35.9%、令和元年度で40.1%。しかし、子どもにスマホを持たせることに不安を感じる親は多いでしょう。タイミングや管理についてどう考えればいいのか、ITジャーナリストの高橋暁子さんに聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 子どものスマホデビュー タイミングと3つの対策←今回はココ
(2) 小学生も被害者に 親子で知りたいスマホトラブル
(3) リビング学習と在宅勤務の共存は子の学びにプラス
(4) 塾のオンライン授業 効果的な受け方と環境設定

 キッズ用携帯電話からスマホへの切り替えのタイミングは、多くの親が悩むところです。高橋さんによると、子どものスマホデビューのタイミングとして最も多いのが「中学への入学タイミング」ですが、最近は小学校高学年でも少なくありません。

 小学生のうちからスマホを持たせている家庭では、「親が格安スマホに乗り換えたことで大手キャリアのキッズ用携帯が使えなくなったから」「塾や習い事で外出している子どもとやり取りしたり、位置情報を把握したりするのに便利だから」などの事情があるようですが、高学年になると周りにスマホを持ち始める子が出てくることで「自分も欲しいと、子どもからおねだりされて買った」というケースも少なくないようです。

 「男の子より女の子の方がスマホを欲しがる時期は早くやってくる傾向があります。高学年だと男の子はゲームに興味が向かいがちですが、女の子は動画投稿やLINEに憧れることが多いようです」

 最近ではスマホを使った学習アプリが充実しているため、勉強用の端末としても役立ちますが、スマホに依存することによる生活の乱れや視力の低下、いじめやネット上の犯罪などに巻き込まれるリスクは大いに気になるところです。まだ適切な判断ができない小学生ではなおさら心配は尽きません。

  次ページから、スマホをいつから持たせるか、また初めて持たせる際にしておきたい親子のルールづくりや管理のコツについて紹介します。