新型コロナウイルスの影響で、1週間先の自分の生活や仕事が読めないなど、かつて経験したことのない日々が続いています。先の読めない今後の世の中を、たくましく生き抜くためには「探究力」が欠かせません。考える力や表現力がぐんと伸びる時期を迎える高学年の子どもたちの「探究習慣」を育む方法について、前編に続き、以前から探究する学びの重要さを訴えてきた市川力さん(東京コミュニティスクール元校長)に聞きます。コミュニケーションの難しくなるこの時期ならではの、親の関わり方のこつについても紹介します。
【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) コロナ後 これまでの逆算型キャリア教育が変わる?
(2) 家庭に探究習慣を 親は「ばかばかしさ」こそ大切に ←今回はココ
(3) コロナ 高学年の「心の免疫力」を親はどう育てる
(4) 学校でのコロナいじめが心配 親にできる5つのこと
親は「ジェネレーター」になることが大切
「考え方を変えれば、新型コロナウイルスがもたらした今は、探究心を育むときだと私は思います」。「東京コミュニティスクール」元校長の市川力さん(一般社団法人みつかる+わかる代表理事)はそう言います。「小さな探究」の積み重ねこそが、これからのキャリア教育だという話を前編で聞きましたが、では、いったいどうすれば探究習慣を身に付けられるのでしょう。
思春期に差し掛かり、斜に構えることも出てくる高学年からでは難しいイメージがありますが、市川さんは「何歳からでも遅くありません」と言います。ただ、そのためには親が「ジェネレーター」という存在になることが大切だとアドバイスします。
また、探究について誤解があるせいで、親が諦めてしまう残念な結果につながっていると市川さんは指摘します。
まず、ジェネレーターとはどんな存在なのでしょうか。探究する学びを広めるために市川さんらが作った定義で、「ティーチャー」や「ファシリテーター」と合わせて次のように定義して説明します。