小学校高学年といえば、体の成長とともに、心の成熟もグンと進む時期。親はまだまだ子どもだと思っていても、子どもは自立を望んで反抗するなど、急な変化に戸惑うこともあるのではないでしょうか。

 精神的な成長に伴って、この時期に芽生えるのがコンプレックスという感情。周囲の友達と自分を比べて容姿や体形のことを気にするわが子に、親としてはどう声をかけ、接したらいいのでしょうか。この時期の子どもの心の変化について、児童心理に詳しい目白大学人間学部教授の小野寺敦子先生に聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 容姿、体形…コンプレックスに親はどう寄り添う? ←今回はココ
(2) 「体育嫌い」の子が「運動嫌い」にならないために
(3) 高学年の子 ゲーム遊びのルールづくりと注意点
(4) 第一人者に聞く ゲームが開く新たな学習の可能性

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

コンプレックスは、発達の段階で当然生まれるもの

 小学校時代は6歳から12歳までのわずか6年ですが、一番変化が大きい時期ともいえます。低学年ごろまでは親、特に母親への依存度が高く、「お母さんの言うこと」がすべてだったのが、高学年になると社会と自分との関わりや、友達と自分を比べることを覚える時期に入っていきます。他者や社会の中での自分というものを徐々に認識していく過程で、友達と自分の違いが分かってくるからこそ、コンプレックスも生まれてくるのだと小野寺先生は言います。

 ネガティブに捉えられがちなコンプレックスという言葉ですが、やはりないに越したことはないのでしょうか?

 「いいえ、コンプレックスが全くないというのも考えものです。『自分は最高!』ばかりで周りの意見も聞けないのでは困りますよね。そもそもコンプレックスがなぜ生まれるかというと、小学校高学年は自分の長所と短所が分かり始める時期だからです。そのときに短所のイメージばかりが強くなると、大人になっても自分を否定し続けてしまうので、この時期のコンプレックスとの付き合い方はとてもデリケート。無理にコンプレックスをなくそうとするのではなくて、いいところを生かし、悪いところはきちんと受け止めることが大切です」(小野寺先生)

 この時期の子どもは、どんなことにコンプレックスを抱くのでしょうか。「友達と比べて太っている、顔がかわいくない、背が低いというような外見的なことが多いですね。あとは、いわゆる勉強やスポーツなどの能力面、家庭環境などの社会面でも周りと比べ始めます。特に身体的な特徴はパッと見て分かりやすいので、コンプレックスに感じることも多いようです」と小野寺先生。

 特に女の子のほうが精神的な成熟が早いので、コンプレックスを感じ始めるのも早いのだとか。容姿や体形のことをはじめ、第二次性徴が始まり胸の大きさを気にするなど、友達や親にも言えないという話も聞きますが、そういうときに話しやすい親子関係を作ることがとても大切なのだそうです。

 自分の努力では変えられない体や容姿のことで悩んでいると言われた場合、親としてはどのように声かけするのがよいのでしょうか?

<次のページからの内容>
● 日ごろから「悩みがあったら伝えてね」というメッセージを
● 「劣等感」を大きくしないために必要な「勤勉性」とは
● 世の中には多様な人がいることを知る機会を持つ
● ストレス社会を生き抜く力「エゴ・レジリエンス」って?
● 「切り替える力」を磨いて、悩みを自分で上手に乗り越える

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  • 日ごろから「悩みがあったら伝えてね」というメッセージを
  • 強い劣等感をもたないために必要な「勤勉性」とは
  • 世の中には多様な人がいることを知る機会を持つ
  • 「切り替える力」を磨いて、悩みを自分で上手に乗り越える

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