小学4~6年生は学校ではリーダーとして下級生をまとめる存在。いつの間にか話す内容もしっかりしてきて、頼もしく感じている親もいるでしょう。一方、家庭ではどうでしょうか。最近子どもとぶつかったり叱ったりして、子どもとバトルになることが増えてきていませんか? 親が言うことに対して、めんどくさい」「別に」と相手にされなかったりすることもあるのでは。外出自粛で親子で顔を合わせる時間が増えている今は、特にそういったことが増えているかもしれません。思春期に入ってきた子どもたちの心にはどのような変化が起きているのでしょうか。スクールカウンセラーとして多くの親子を支援してきた東京成徳大学大学院・心理教育相談センター長で公認心理師の田村節子さんに、思春期の子どもを叱るのが難しい理由や、上手な付き合い方を聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 子どもの思春期 どうしたら冷静に向き合える? ←今回はココ
(2) 公立中の進学に備え、小学校のうちにできること
(3) 知っておきたい 公立中で内申対策ができる勉強法

ものごとを客観的に見られるようになり親に批判的になる

 田村さんは「思春期以前の子どもは世界を点で見ているようなものでしたが、思春期になると面で見られるようになり、世界全体が大きく見えてくる時期」と、高学年の子どもの特徴を解説します。

 それは10歳くらいになると「メタ認知」ができるようになるからだそう。メタ認知とは自分と周囲を客観的に見ることです。「自分と他者を比べて、違いや優劣を客観的に判断できるようになるのですが、それによって劣等感を感じたり、反対の立場なら優越感も感じたりするようになります。

 また『こう言ったら、これをされたら相手がイヤだろうな』というような、人の気持ちが分かるようになり、自分がどう振る舞ったらいいか、客観的に分かるようになります。友達との仲間関係がしっかりできてきて、お互いに依存し合ったり、支えたり、認め合ったりする気持ちが出てきます」

 さらに性の成熟も大きく関わるそうです。「第2次性徴期は、ホルモンの関係で単純にイライラします。自分と他者を比べるようになるので、体の変化に関しても『あの子の方が胸が大きい』『自分はまだ声変わりしなくて、声が子どもっぽい』というようにとても敏感になります」

 つまり、能力や見た目、性格、環境など様々な面で自分と他者の違いが分かり、複雑な感情を持つようになるのが思春期。「その結果、子どもは自分の価値観を持ち始めます。これまでは親は完璧で、親の言うことは正しいと思っていたけれど、思春期になると『親の言っていることって変じゃない?』という批判的な見方ができるようになります。親が正論を言っているとしても、素直に聞くことができません。そこにホルモンの影響も加わって、親子のバトルが起きてしまうのです。親にとってはやっかいですが、これは自立への第一歩です」

次ページから読める内容

  • 自立と依存の間で葛藤する子どもたち
  • 叱ってしまったらアフターケアは必須。交渉術の学びにもなる
  • 叱ることを放棄するほうが深刻
  • カッとなる、放棄するの原因は親の疲れ
  • 親は子のロールモデル 子どものためにも人生を充実させよう

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