東京都の小学生の四分の一が中学受験をするとも言われる時代、小学校によっては7割以上が受験組という地域もあるほど、年々希望者は増え続けている傾向にあります。する、しないに関わらず、一度は検討したことのある人が多いのではないでしょうか?
しようと決めたら、まず考えなければならないのは塾選び。今回は、中学受験を検討して通塾中もしくは受験を終えたDUAL読者にアンケートを実施。塾選びの基準や塾の良し悪しについて、リアルな経験談を聞いてみました。また、元大手受験塾のカリスマ講師で、現在は「名前もない小さな個人塾」「Oasis」の小澤淳先生にもお話を伺います。
【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1)高学年 新学期のいじめ・仲間外れ、早めに対応を
(2)わが子がいじめに遭ったら 学校や先生との関係
(3)大手・小規模・個別指導… 塾はどれがいい? ←今回はココ
(4)大手塾が合わないとき いつまでに転塾を判断する?
子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。
塾始め、まずは何を基準に選ぶ?
一口に塾と言っても、塾の教育方針やカラーは大きく異なり、わが子に合った塾を選ぶのが第一歩と言えるでしょう。まず初めは、四大中学受験塾と言われる「SAPIX」「早稲田アカデミー」「四谷大塚」「日能研」について、読者アンケートを実施。読者がそれぞれの塾を選んだ理由と、良いと感じている点・不満な点などを紹介していきます。
(選択理由)
- 難関校への合格実績とカリキュラムはやはり絶大だから。
- 他の生徒と刺激し合える関係が素晴らしいと思った。
- 塾としての信頼はもちろん、弁当が不要で拘束時間が短いのも魅力。
(良い点・不満な点)
- 子どもにとって授業が面白く、講師も魅力的。宿題も多いが、難関校を目指すなら必要な量だと思う。
- クラス替えが定期的に行われるので、競争意識やモチベーションアップにつながる。
- 宿題が多すぎて、子どもがやるべきことを把握しきれず、親の管理がマスト。
- 復習をしないとついていけないが、働く身ではフォローに限界があり、今はクラスがどんどん落ちてしまっている。
- 保護者へのフォローがない。
(選んだ理由)
- 体育会系の元気のよさが、子どもに合うと感じた。
- 志望校向けのコースがとても良さそうだったから。
- 体験授業後の説明で、保護者へのサポートも手厚い印象を受けたから。
(良い点・不満な点)
- 子どものモチベーションを上手に保ってくれ、入塾したときには考えられなかった学校へ合格できた。保護者へのサポートも丁寧で、共働きに適した塾だと感じた。
- いつでも何でも相談してくださいという姿勢。面談もマメにしてくれる。
- 宿題がとにかく多くて、難しい。こなせなくて一時期潰れかけました。
(選んだ理由)
- 自習室があるので学童代わりに使えたり、面倒見がよく、保護者の負担も少なそうだと感じたから。
- 学習意欲が低い子なので、集団授業で中堅を狙えるだけで十分だと思ったから。
- じっくり考えさせる学習法と、他塾よりゆとりのあるカリキュラムに惹かれて。
(良い点・不満な点)
- カリキュラムがしっかりしている。また豊富な資料やデータを持っている。
- 講師がよく見てくれる。和やかな雰囲気で教材がハイスペックすぎない。宿題も多くない。
- 成績で教室の席が決まるので、適度に競争心があおられモチベーションアップになる。
- クラスの人数が25〜30人と多すぎることがある。
- 授業の進みが遅いと感じる。
(選んだ理由)
- 幼児教室から通っていて、そのまま自然と中学受験コースに。講師から教わるのがあまり好きではないので、予習型の四谷大塚が子どもにはぴったりだと感じたから。
- 低学年クラスからあるから。また、少人数制で目が行き届きやすい。
(良い点・不満な点)
- 講師のレベルが高く、さすがだと思った。教材もとても良い。
- 指導力が素晴らしい講師に出会えた。毎回解き直しノートのチェックや、丁寧な説明、また将来の中高の授業や大学受験まで見越した指導に、まさにプロと感じた。
- 授業の拘束時間が長い。授業の合間にある自習時間をなくして、少しでも早く帰宅させてほしいと思う。
- 講習やテストの日程の提示が遅く、共働き世帯にはやや困る。
共働きに向く塾と、向かない塾がある
保護者の意見を読むだけでも、塾の傾向がだいぶ見えてきましたが、さらに詳しく小澤先生にお聞きしていきます。受験界においてはSAPIXが圧勝という話も聞きますが、実際はどうなのでしょうか?
● 親のサポートはどれくらい必要?
● 小規模塾、個別を選ぶタイミング
● 習い事と両立できるほど受験は甘くない。そこまでして受験したいか否か