小学校高学年になると、友達関係にも変化が出てきて、子どもが戸惑い、悩むことが増えてきます。もしもわが子がいじめられていたら、親はどうすればいいのでしょう。高学年になると、どんないじめが起きるのが、どのようなクラスにいじめが起こりやすいのか、紹介します。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1)高学年 新学期のいじめ・仲間外れ、早めに対応を ←今回はココ
(2)わが子がいじめに遭ったら 学校や先生との関係
(3)大手・小規模・個別 中学受験、塾はどれがいい?
(4)大手塾が合わないとき いつまでに転塾を判断する?

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

高学年になるといじめがソロ活動からグループ化

 「高学年からのいじめは抜け出しにくくなるのが特徴」と話すのは、自身の体験からいじめ対策を紹介するサイト『いじめと戦おう!~対策と克服法~』を運営し、これまでに800人以上の相談に応じてきた玉聞伸啓(たまき・のぶひろ)さん。

 「小学校でも低学年、中学年くらいまでのいじめは、“ソロ活動”が多いんです。一人の子どもによるいじめは、いじめられている子がやり返したり、先生や大人が注意することで効果が出ることが多いのですが、高学年からはいじめがグループ化し、反撃が難しくなり、大人の注意も効き目がなくなってきます

女子は小学校高学年から、男子は中学生からスクールカーストが明確化

 『不登校新聞』の編集長石井志昂(いしい・しこう)さんは、「グループができると、グループ間のスクールカーストが明確化する」と指摘します。

 「女の子だと小学校の高学年から、男の子だと中学生くらいから、クラスの中で自分が所属しているグループがすべてスクールカースト化されるようになります

 スクールカーストは、クラスの中に出来上がったグループのすべてに見えない順位がつけられているのが特徴。上位グループは下位グループを悪く言い、無視し、時に暴力を振るうこともあります。スクールカーストができたことにより、グループ上位から下位に向けてのいじめが日常化します。

 「スクールカーストには理屈がありません。結果的に、コミュニケーション能力が高い層が上位グループとなると言われますが、明確な基準はないから、余計に戸惑うことになります。しかも基準は急に変わったりする。先生がひいきすることでいじめ、いじめられがひっくり返ることもある。優秀だからこそいじめられるというケースも出てくるわけです。ただ“人と違う”といじめの対象になりやすくはなる傾向はあります

スクールカーストには理屈がない。優秀だからこそいじめられるというケースもある
スクールカーストには理屈がない。優秀だからこそいじめられるというケースもある
<次のページからの内容>
● いじめがショー化し、どんどん抜け出しにくくなる
● 女子の理論武装にやり込まれてしまう先生も
● 受験勉強のストレスから、いじめに発展する?
● いじめが起こりやすいクラスの特徴