高学年になると、特に算数の授業では分数や小数といった抽象的で複雑な思考を求められるようになり、学習につまずきを感じる子どもが増えてくるといいます。前回の記事では、低学年で学んできたこととの違いや、授業をとりまく環境の変化などについて紹介してきました。

 難しいと感じるポイントや理解のスピードに個人差があるのは当たり前のこと。そこで大切になってくるのが家庭でのフォローです。学習の理解を深めるうえで、親だからこそ担える役割や心構えについて、引き続き小田原短期大学特任講師の鈴木邦明先生に聞きました。

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子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

スーパーは、学びと実生活をつなぐ格好の場所

 小学校や中学校での基礎学習はいわば城の石垣のようなもの。足し算や掛け算、ひらがなや九九といった単元の「石」をきちんと積み重ねていくことが大事なのだと、小学校教師として20年以上子どもたちを指導してきた経験から鈴木邦明先生は話します(前回記事参照)。そして、一つひとつの石が学校での学びであるとするなら、石垣を強固なものにするべく、石と石との間をつないでいくのが親の役割ではないかと言います

 「学校で分数や小数を勉強している時期には、ぜひ子どもとスーパーに行って『見て、この牛乳に3.6って書いてない?』『このお魚、2割引きだって』というような会話をしてください。ピザを食べるときなら、『このピザ、8枚に切ってあるよね。8つに分かれているから、1つは8分の1だね』とか。こういうことは学校ではなかなかできない部分で、家庭だからこそ実生活とうまくつなげて、理解を深めることができるのです

 高学年になると、日常にはない抽象的な概念を学ぶようになり、それによって授業につまずきを感じる子どもも目立つようになりますが、「学問というのはどうしても抽象化していかなければいけないもの」と鈴木先生。

 「いつまでも『りんごが何個あって、足すと何個で』という話ではないですし、中学や高校になれば、完全に理屈だけで話が進んでいきます。だからこそ、訓練として少しずつ理論、理屈寄りに持っていかなければいけません。小学4年生ごろというのはそうした学問の抽象化への過渡期。もちろん学校でできるフォローもありますが、不安定な学びの『石』は子どもによって違いますから、親にしかできないこともあるのではないでしょうか」

 子どもが今どんなことを学び、どこで壁にぶつかっているのか。それを知るために鈴木先生が勧めるのが、子どもの教科書を読んでみることです。「新学期になって新しい教科書が配られたら、パラパラとでいいので、ぜひ目を通しておいてください。学習内容を少しでも頭に入れておくことで、先ほどのような実生活へつなぐ会話ができるようになります」。

 家庭での学習ということでは、学んだことを定着させるためにも宿題がますます重要になってきます。親はどんなことに気を付けておけばいいのでしょうか。

<次のページからの内容>
● 「なぜ学ぶのか」を理解すると、学習の質が変わる
● スムーズに行動できる「しくみづくり」が効果的
● 「机の上以外」にある学びの機会も積極的に活用
● 学習に多くのエネルギーを使える状態を整える
● 自己肯定感を高め、得意なことをさらに伸ばす視点も重要

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  • 「なぜ学ぶのか」を理解すると、学習の質が変わる
  • 「机の上以外」にある学びの機会も積極的に活用
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  • 自己肯定感を高め、得意なことをさらに伸ばす視点も重要

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