塾のテキストやプリント、教材がどんどんたまってしまっていって、整理ができずにもうどうにもならない……。中学受験を視野に入れた高学年家庭ではこうした悩みがあるのではないでしょうか。この春休み中に前の学年の塾の教材やテスト類を片付けて、新学年をスタートさせたいものです。三男一女を東大理Ⅲ合格へと導いた「佐藤ママ」こと佐藤亮子さんに、子ども4人の塾の教材やテスト類をどのように整理していたのかを聞きました。さらに、実際の読者の整理のお悩みにもアドバイスをもらいました。

【年齢別特集 小学校高学年ママ・パパ向け】
(1) わが子が「いじめっ子・傍観者」にならないために
(2) 「衝動的にネットに書き込まない」を子どもに伝える
(3) 必要な学校プリントがすぐに出てくる収納テク
(4) 佐藤ママ直伝 塾のテスト・教材整理のコツ ←今回はココ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

どこに何があるかが一瞬で分かるように

「佐藤ママ」こと佐藤亮子さん
「佐藤ママ」こと佐藤亮子さん

 佐藤亮子さんのお子さんは4人全員が1歳ごろから公文に通い、関西の大手進学塾・浜学園への通塾を経て、灘中学などの難関中学に合格しました。膨大な量のプリントやテキストをどう整理していたのかを伺ってみると、「きれいに整理しようと思ったことはありません」 という意外な答えが。

 「受験勉強は時間との勝負ですから、 物を探すことに費やすムダな時間を減らし、勉強時間を確保することが大切です。その観点で考えると、塾の教材は“きれいに”片付ける必要はなく、 どこに何があるかが一瞬で分かるようになっていればいいのです」

 「教材のファイリングや整理は親の仕事で、子どもは問題を解くだけでいい」というのが、佐藤さんの考え方。時間をムダにしないために、どうしたらお子さんの手間を減らせるかを徹底的に考えながら整理法を改善していったといいます。

 「例えば、 『算数のプリントは青いファイル』と決めているだけだと、ファイルを手に取る前に『これは青いファイル、だから算数だ』といちいち思い出さなければなりません。でも、ファイルの背に『算数』と書いてあれば、見た瞬間に算数のノートだと分かりますから、『何のファイルだっけ?』と考えるほんの短い時間まで省けます。小さなことに思えるかもしれませんが、“一瞬で分かるかどうか”の違いは毎日積み重なると大きなものになります」

 文房具を探すムダな時間をなくすために、中学受験前には部屋中の至る所に鉛筆や消しゴムを置いていたという佐藤さん。塾のプリントやテキストは、どのように整理していたのでしょうか。

<次のページからの内容>

●保管する優先順位が高いのはどの教科?
●1年分たまったノート、どう保管する?
●子どもが見直しやすいテストのファイリング
●模試は封筒に入れたままにしてはダメ
●DUAL読者の「わが家の実例」へのアドバイス