小学校高学年になると、子どもは子ども同士の世界が出来上がっていくもの。もしわが子が、親が気づかぬうちにいじめの加害者になっていたら…。そんな不安を抱えたことはありませんか?わが子をいじめっ子にしないために、どのような家庭教育をすればいいのでしょうか。

全国からさまざまないじめに関する相談を受け付けている全国webカウンセリング協議会の理事長・安川雅史さんに話を聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年ママ・パパ向け】
(1) わが子が「いじめっ子・傍観者」にならないために ←今回はココ
(2) 「衝動的にネットに書き込まない」を子どもに伝える
(3) 必要な学校プリントがすぐに出てくる収納テク
(4) 佐藤ママ直伝 塾のテスト・教材整理のコツ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

いじめは、いじめっ子の劣等感をごまかすため

 「子どものいじめ」という言葉を聞いたときに、多くのお父さんお母さんは「わが子がいじめれられたらどうしよう」と考えるかもしれません。でも、もしかすると親が気づかないうちに、わが子が「いじめる側」や、「いじめを見て見ぬ振りをする」側に回っていたとしたら…?

 

 全国webカウンセリング協議会の理事長・安川雅史さんは、「人間は誰でも攻撃性を持っています。これは大人にも子どもにも当てはまります。誰かを攻撃したりいじめたりすることで、不満やストレスを解消したり、自分の劣等感をごまかすのです」といいます。いじめっ子の背景には本人の不満やストレス、劣等感があるということです。また、いじめを傍観する子どもは、「自分にいじめの矛先が向かうことを恐れて、自己防衛のために傍観をしている」といいます。

 小学校高学年ともなると、学校や塾で忙しく、不満やストレスをためてしまっている子もいるでしょう。しかし、すべての子どもがいじめっ子や、いじめを傍観する側に回るわけではありません。いじめっ子側になる子の傾向はあるのでしょうか

<次のページからの内容>

●いじめは「無関心」が問題
●親の人間関係が子どもの人間関係につながる
●夫婦関係の良さも関係する
●言葉のキャッチボールをしよう
●悪いことをしたらきちんと叱る