国が推進している「キャッシュレス決済」。コロナ禍で衛生面のメリットも注目され、身近になっています。給与払いのデジタル化解禁の議論も始まっていますが、今後もし親への給与振り込みの形が変われば、子どものおこづかいなど家庭内でのお金の振り分け方にもいずれ変化が生じるかもしれません。「キャッシュレス」を使わせる前に子どもが身に付けたい力について聞いた前編に続き、今回の後編では、キャッシュレスについて子どもにどう教えるか、についてファイナンシャルアカデミー講師の福田祥子さんに聞きました。

【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 「性教育出遅れたかも」高学年男子親が大切にしたいこと
(2) 子の「お金を生かす力」高める ハピ値&計画と振り返り
(3) キャッシュレス決済 親の教え方4つのポイントと注意点 ←今回はココ

「生活にお金がかかる」と子どもが感じられるシーンが減っている

 「○○ペイ」といったキャッシュレス決済サービスが一気に増え、「ついていけない」と感じつつも、「知っておいたほうがいいのでは」と焦る人は少なくないかもしれません。「キャッシュレス決済サービスを子どもに使わせたほうがいいの?」「子どもにどう教えていいか分からない!」と悩む親もいるでしょう。

 「子どもの教育のためにキャッシュレス決済を取り入れなきゃ、教えなきゃ、と焦る必要はないと思います。ただ、何事も経験しないと身に付きません。社会のキャッシュレス化が今後も進むことが見えている以上、キャッシュレスを経験しておくことに意味はあると思います」。小学生などを対象にした、マネー講座の講師を務めるファイナンシャルアカデミー講師の福田祥子さんは言います。

 「キャッシュレスの世の中になり、マネー教育の重要性はさらに高まっていると思います」と福田さん。「生活するのにはお金がかかる」ということを子どもが感じられるシーンが減っているのがその理由のひとつです。

 「キャッシュレス」を子どもに伝えるにあたって、親が押さえておきたいポイントを次ページから福田さんに聞きます。

「キャッシュレス」 子にどう伝える? 押さえておきたい4つのポイント> (1)家庭内にあふれる「キャッシュレス」を意識、現実感を持たせる (2)「見える化」できるキャッシュレスで「振り返る力」を身に付ける (3)入金しているところを見せて「減る」を認識させる (4)ツールではなくて支払うタイミングに着目して説明する