国が推進している「キャッシュレス決済」。新型コロナウイルス対策という側面も後押しして、身近になっています。給与支払いのデジタル化解禁の議論も始まっていますが、今後もし親への給与振り込みの形が変われば、子どものおこづかいなど家庭内でのお金の振り分け方にもいずれ変化が生じるかもしれません。前編の本記事では、「キャッシュレス」を使わせる前に子どもが身に付けたい力について、ファイナンシャルアカデミー講師の福田祥子さんに聞きました。

【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
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お金を扱うにあたって、普遍的に身に付けたい力とは

 「昔と比べると、今の子どもは、全般的に現金に関わる体験が不足している傾向があると感じます」。そう話すのは、小学生などを対象にマネー講座で教える、ファイナンシャルアカデミー講師の福田祥子さんです。

 「親が現金をあまり持ち歩かず、カードなどでキャッシュレス決済することが日常的な光景になっています。子どもがお菓子を買ってもらうときも、親がまとめてキャッシュレス決済するなど、子どもが自分でリアルな現金のやり取りを体験したり、目にしたりする機会はおのずと減っています」

 「現金手渡しが給与の主流だった時代から、銀行振り込みに変わったとき、『もらった実感がわかない』『使い過ぎてしまうかも』などと言われたそうです。お金にまつわる社会の制度や習慣が変化すれば、家庭内にも変化が生じます。そうした変化に合わせてマネー教育も変えていく必要はあると思います」

 とはいえ、お金に関しては、「現金だろうとキャッシュレスだろうと関係なく、普遍的に身に付けたい力があります」と福田さん。それは、子どもにキャッシュレスでおこづかいをあげる習慣をスタートさせる前に、必ず教えたい点だと強調します。福田さんに次ページから詳しく解説してもらいます。

お金を使う上で身に付けさせたい2つの力 例えばこんなおこづかい帳で…