反抗期を迎える高学年は、親も子どもも「お互いに一人の人間」と認め合う大切な時期です。親は口出しし過ぎず、子どもの気持ちを尊重して信頼関係を強めていきたいところですが、一方で、特にこの時期は中学受験をはじめ、勉強面で「子どものためだから」と詰め込むことで、子どもとの信頼関係が揺らいでしまうこともあります。思春期に入った子どもとの信頼関係、どのように結び直せばいいのでしょうか。

ほあしこどもクリニック副院長であり、臨床心理士の帆足暁子先生にお話を伺いました。

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年齢が上がるほど「今ごろそんなこと言っても遅いよ」と反応

 前回、小学校4年生ごろまでの子どもの場合、子どもが親を信頼したいのに信頼できないという不満を持っていても、そのことに親が気付き親子関係を結び直すことができれば、思春期の子どもと親がしっかりつながっていられるようになると、話してくれた帆足さん。

 では、5、6年生になると親子関係の結び直しは難しくなってしまうのでしょうか?

 「何歳になってもやり直すことは可能ですが、この時期はほとんどの子どもが思春期に入り、大人から離れていく時期ですから、子どもは『今頃そんなこと言っても遅いよ』という思いで拒否反応を示すようになります」

 信頼関係が結べていない親子関係はさまざまな形があります。例えば、自己肯定感の低い子ども、つまり、親から否定されてばかりの「どうせ見捨てられているから、言っても仕方がない」「言ったらお前が悪いと怒られるだけ」という「見捨てられ型」と、自信のない子ども、つまり親が子どもを過度に守ろうとして失敗しないように、転んでもすぐに手を差し出して守れるようにするのですべて自分でやったことがない「過保護・過干渉型」があります。「見捨てられ型」も「過保護・過干渉型」も、4年生ごろまでなら軌道修正しやすいのですが、5、6年生になると思春期ということとそのパターンが子どもの側にできあがっていることが多いために、その関係から抜け出すのがより難しくなります。

 また、子どもに言うことを聞かせるために怒鳴りつけたり、脅したり、たたいたりしていると、子どもはその怖さで思春期にも入れないケースもあります。こうした子どもは「親の前ではいい子」でいようとしますが、それはあくまでも「親が怒るから」なのです。「子どもは自分で自分を守るためにいい子でいるしかなく、それが高学年まで続くとやはり、その行動がパターンになって身に付いてしまいます」と帆足さん。

 でも子どもはそういう自分が嫌いだから、イライラがどんどんたまっていく。そのイライラのはけ口として、周りにいるいい子をいじめるようになることさえあるとも。「演じなくても『普通にいい子』は、イライラがたまっている子にとっては『僕(私)だって、お前(あなた)みたいになりたかったのに』と腹が立つ対象になってくるんです」

 また、親の前であえて悪いことをして、本当に親を信頼してもいいのか、試す行動を繰り返してしまう子どももいると言います。

 では、そんな高学年の子どもとの信頼関係を結び直すためには、親は何をしたらいいのでしょうか。

<次のページからの内容>

● 「あなたがこうなったのは自分の責任」と言えるように
● 親だけではどうにもならないと感じたら信頼できる大人を見つける努力を
● 親のためにさせることを「あなたのため」と言わない
● 腹を割って話し合い「自分の人生は自分のもの」と互いに自覚
● 親子の会話が理屈でのやり取りに偏らないよう注意
● 正論よりも気持ちを大切に

次ページから読める内容

  • 親だけではどうにもならないと感じたら、信頼できる大人と出会わせる
  • 腹を割って話し合うことで、「自分の人生は自分のもの」と自覚
  • 正論よりも気持ちを大切に

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