前回の記事で見たように、2020年度から小学校5~6年生の「英語」が教科になります。親は家庭でどのようなフォローをすべきなのでしょうか、また、しないほうがいいことはあるのでしょうか。NHK Eテレのテレビ講座で講師を務める、立教大学名誉教授の鳥飼玖美子さんに聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 中学入試 どんな結果でも子どもの心をケアして
(2) 4月から教科化する英語 親のイメージと違う理由
(3) 小学生の英語学習 親が大事にしたい3つのポイント ←今回はココ

「見切り発車」で始まっているという事実を知って

 英語が教科化された波及効果で、小学生向けの英語教材や英語教室を目にする機会は増えています。中学入試の科目に英語が入ったり、英検取得が有利に働いたりする例もあり、焦りを覚える親は少なくないでしょう。

 しかし、小学校における英語の教科化に懸念を表明して来た、立教大学名誉教授の鳥飼玖美子さんは「教科になったからといって、親は子どもをあおったり、せかしたりしてはいけません」とアドバイスします。

 「まず、英語の教科化が『見切り発車』で始まっているという事実を、親の皆さんには知っておいてほしいです。親が思っている以上に、学校現場は混乱して困っているのが現状です」と鳥飼さんは言います。

 「問題点の1つは、英語を教えるための正式な小学校教員の養成・免許制度が整う前に始まった点。小学生の子どもに外国語を教えるには、とても高度な技能が必要です。文部科学省は、英語が得意な先生もそうでない先生も、英語で頑張ってコミュニケーションを取ろうとしている姿勢を子どもに見せることが大事だ、と言っていますが、それなら家庭でだって親ができます。わざわざ学校で行う意味がありません。本来の学校教育の姿ではないと思います」

 子どもの英語教育を考えるときに、親が心に留めておきたいポイントは何でしょうか。

鳥飼さんのアドバイス  小学校時代に家庭で大事にしたい3つのポイント・英語を○○にさせない・○○性を育む・○○力を高める 例えば具体的には……×「英語をちゃんと勉強しているの?」と子どもに言う こうしよう! ○親が○姿を見せる ×子どもが何か質問をしてきたら「そんなの先生に聞きなさい」と突き放す こうしよう!○質問してきたときはチャンス到来!時間をかけてもいいので、○  次ページから詳しく解説します!