受験する中学校を選ぶ物差しはいろいろあります。偏差値、場所、校風……その中に、「共働き家庭率」も含めてみてはいかがでしょうか。

 共働き家庭率が高い学校とは、また低い学校とはどんな学校か。どんな違いがあるのか。子ども2人の中学受験を経験し、『はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと』(ダイヤモンド社)の著者であるアンダンテさんに聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年ママ・パパ向け】
(1) IT教育最前線 プログラミング必修化でこう変わる
(2) 親子で学ぶプログラミング 親こそ必要な学び直し
(3) わが子は中学受験向き? 進路、学校選びの考え方
(4) 「共働き家庭率」で考える中学受験 親の負担に違い ←今回はココ

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

共働き家庭率が低かった息子の学校、高かった娘の学校

 私は3人の子どもの母ですが、そのうち2人が中学受験をしました。幸いなことにそれぞれ希望する中学校に進学することができ、楽しい中学、高校生活を送ることができました。

 息子(第二子)が通った学校と、娘(第三子)が通った中高一貫校は、いずれも親子で「ここ!」と気に入った学校だったのですが、かなり対照的な学校です。

 かたや、系列大にほぼ100%進む学校、かたや、バリバリの進学校。宗教色なしと、あり。共学校と、女子校。

 他にも、すごく違うところがあります。それが「共働き家庭率」です。

 息子の学校は、小学校がついていました。私は、小学校受験のことはよく知りませんが、大層な難関だそうです。難関「お受験」をくぐり抜けるのは、共働きではなかなか難しいのではないでしょうか……。それに、経済面でも、単なる会社員共働きなどより、もっと高いグレードが求められそうです。

 中学受験で入ってくる人々には、わが家のような、ごく普通の経済階層の家庭が多く含まれますが、それにしても、大学がついているところに入れてしまおう(国公立のような安いコースに行く可能性を捨ててまで)と考える人には、一定の傾向があるといえるでしょう。ほとんど全員が系列大に進学する学校から、ほとんど進学する生徒がいない学校まで、大学付属校にもいろいろなタイプがありますが、一般的に中学から大学まで、そのまま内部進学する生徒の割合が高い大学付属校は、共働き家庭は少ないようです。

 ということで、息子の学校は共働き率がかなり低い学校でした。

 一方、娘の学校は、ごく庶民的な雰囲気の学校で、小学校も大学もついていませんでした。とはいえ私立ですからお金持ちの家庭もそれなりにいたと思いますが、服装などからリッチ感を漂わせている人はあまりいませんでした。

 ということで、娘の中学校は私立でも共働き率が非常に高い学校でした。

 志望校検討のために学校をチェックするとき、「共働き家庭率」という視点で見ることはあまりないかもしれませんが、学校の空気を左右するけっこう大きなポイントだと私は思います。

<次のページからの内容>
● 共働き率が高いほうが無難だが、低くてもすべてNGではない
● 「共働き率が高い」学校の見極め方
● 説明会に集まる保護者を見ると学校のカラーがある程度分かる
● 学校の空気を吸うことで分かることがある