同調圧力が強まる高学年。もしも、わが子に友達がいなくて周囲から浮いていたらどうしますか? 今回は、「一人でいること=かわいそうではない。親には別にやることがある」と語る専門家に、親が気にすべきこと、気にしないでいいこと、子のためにとるべき対応について聞きました。

【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) ほめるより叱る? 高学年の子を「挑発して伸ばす」には
(2) 子どもを叱っても響かない 理由は親の「先回り癖」
(3) 周囲から浮くのはかわいそう? 親の考え方と対策は ←今回はココ

子どもが浮いていることを問題視する必要はない

 ありのままの子どもの個性を伸ばしてあげたい、と考える親は少なくないと思います。ですが、もしもその個性が「ちょっと周囲から浮いてしまう」ものだったらどうでしょう? おとなしくて人と話せずに友達付き合いができなかったり、人の話をさえぎって自分の話ばかりしてしまったり、それによりわが子が孤立していたら、親としては少なからず気になるのではないでしょうか。

 しかし、明治大学文学部教授で心理学者の諸富祥彦さんは、「子どもが浮いていること自体は問題視する必要がない」ときっぱり。

 「子どもを追い詰めてしまうのは、孤立していること以上に、『あの子は独りぼっちだ』『友達がいない』という周りからの視線や、『かわいそう』『なんとかしてあげなければ』という親の価値観です。友達ができなければ、変な人、みじめな人という見方をしていると、知らず知らずのうちに言葉や態度に現れ、子どもにプレッシャーを与えてしまいかねません。それにより、厳しい人間関係の中に子どもを追い込んでしまうこともあると思います」

 とはいえ、子どもが成長して社会に出れば、人と協調して働く場面も出てくるはず。親として、孤立している現状との折り合いをどうつけていけばいいのでしょうか? 今回は、気にしなくていいこと、気にしたほうがいいことと、子どものためにできる具体的な対策について諸富さんに詳しく聞きました。