わが子に中学受験をさせるべきか、させないべきか。受験するのなら私立か、中高一貫の公立か、学校はどう選べばいいのか……。小学生の子どもを持つママ・パパの多くが悩むこのテーマ。受験にまつわるさまざまな負担と、メリットとデメリットをどう考えればわが家に合った選択が下せるのか。

 安田教育研究所代表・安田理さんと花まる学習会代表・高濱正伸さんに最新の受験事情を踏まえてもらいながらアドバイスしてもらいました。

【年齢別特集 小学校高学年ママ・パパ向け】
(1) IT教育最前線 プログラミング必修化でこう変わる
(2) 親子で学ぶプログラミング 親こそ必要な学び直し
(3) わが子は中学受験向き? 進路、学校選びの考え方 ←今回はココ
(4) 「共働き家庭率」で考える中学受験 親の負担に違い

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

中学受験に向いているのはどんな子ども?

 日経DUALの読者アンケートでも、今や約半数が検討しているという中学受験。中学受験のメリットは、ある程度整った環境で、勉強ややりたいことに中高6年間、熱中できることだ。高校受験に煩わされずに、将来に向けた力を養い、人間力を育むことができる。

 そのための学校選びでは教育方針、進学実績などさまざまな要素を検討することになるが、「上位校で下の成績を取るよりも、中堅校で上位のほうが本人の自信や自己肯定感が得やすい。その後の大学進学などでもやる気や後伸びにつながります」と、安田教育研究所の安田理代表は語る。

 逆に言うと、背伸びをして偏差値の高い学校に入学した場合、入学後に勉強への意欲を失ってしまう可能性も否めない。花まる学習会の高濱正伸代表は「例えば、男子トップ校に入れたけど、そこでビリの成績になってしまった場合。そうすると、その子の学力は同じ学年の子ども全体の中ではピラミッドの頂点に近いのに、本人はそうは感じられず、『ボクは勉強ができない子』と思ってしまう。子どもは自分の周辺としか、比較できないんです」と話す。

 「大事なのは、子どもの何を伸ばしたいのか。そして、子ども自身が自分で学校を選ぶということが鍵になってきます」(高濱さん)

 では、「中学受験に向いている子」とは、どのような子どもなのだろうか?

<次のページからの内容>
● 中学受験しなくても、受験勉強はやったほうがいい?
● 中学受験のデメリットとは? 夫婦間で話し合って意識の共有を
● 高校、大学、その先まで俯瞰して考える
● 学校選びは偏差値・ブランドだけにとらわれないで
● 周囲に引きずられずに家庭の価値観で進路を決める