叱られているのに、子どもがまるで他人事のような顔をしていることはありませんか? その理由は、「何でも先回りして叱っている親自身」にあるといいます。東京大学先端科学技術研究センターの中邑研究室が運営する、ユニークであるがゆえに学校になじめない子どもたちの学びの場「異才発掘プロジェクト ROCKET」でディレクターを務める中邑賢龍さんと学術支援専門職員の赤松裕美さんに、親が先回りしないためのコツを聞きました。
【年齢別記事 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) ほめるより叱る? 高学年の子を「挑発して伸ばす」には
(2) 子どもを叱っても響かない 理由は親の「先回り癖」 ←今回はココ
(3) 一人ぼっちは避けたほうがいい? 孤独の考え方
何度叱っても子の行動が変わらないのには理由がある

子どもが高学年になると、親が本気で叱っているのに、「当の子どもはまるで他人事。一向に反省している様子が見られない」と感じることがないでしょうか。そうした場合、その場ではしぶしぶ言うことを聞いても、行動が改善されないばかりか、「言われなければ行動しなくなる」という悪循環に陥ってしまうことも。
なぜ、子どもの行動は変わらないのでしょう? 東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野の教授で「異才発掘プロジェクト ROCKET」のディレクターである中邑賢龍さんと、同プロジェクトのコーディネーターで13歳と8歳の子どものママでもある赤松裕美さんは、「子どもが負うべき行動の責任を、親が負ってしまっているからではないでしょうか」と口をそろえます。
「例えば、毎回のように『もうすぐ塾へ行く時間だよ』と言っているにもかかわらず、子どもがいつも自分から準備しようとしない場合など、親のほうが、『子どもが遅刻する責任は、親の自分にある』と思っていることが多いのだと思います。そうした人は、子どもが遅刻をしたから叱るのではなく、遅刻をしないように前もって叱っています。しかし、それを続けている限り、子どもの行動が変わることはないでしょう」(赤松さん)
まずは、親自身が、子どもの行動の責任を本人に負わせることが大切です。とはいえ、分かっていても、それがなかなか難しいと感じる人もいるでしょう。実際、赤松さん自身、かつては子どもの責任を自分が負ってしまい、先回りしてなんでも子どもにやってあげていたといいます。
「『過保護になる必要はない』『子どもを見守りましょう』といくら言われてもできませんでした。ですが、先回りしないためにはコツがあったのです。それが分かると、子どもを見守ることを楽しめるようになりました」
赤松さんが、子どもの行動を見守れるようになった理由。それは、「先回りをすることで、いかに自分が、子どもから試行錯誤するチャンスを奪っていたかに気付いたから」だといいます。(続きは次ページへ)

次ページから読める内容
- たいていのことは「子ども自身でどうにかできる」
- 子どもを「泳がせるようになる」と育児が楽しくなる
- 一度言ったことは曲げない。ブレないことが肝心
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