小学校高学年は、体の成長とともに少しずつ自立心が芽生えてくる時期です。帰省や旅行計画もある春休みは、ちょっとした冒険を通じて子どもの自立心を伸ばしてあげられるチャンス。親がやるべき準備や心構えについて、旅を通して子どもの生きる力や家族の絆を育む「旅育」を提唱する、旅行ジャーナリストの村田和子さんに聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 人気の公立中高一貫校 最新事情
(2) 公立中高一貫校の出題から見る求められる子ども像
(3) 子どもの自立心を育む 春休み安全な旅のヒント ←今回はココ

スモールステップから段階を上げていく

 春休みは宿題が少なめで、気候も良い時期。4月から始まる新しい学年に向けて、ちょっとした冒険を通して子どもの自立心を伸ばす絶好の機会です。

 これまでに親元から離れたことがなければ、引率者のいるツアーやキャンプに子どもだけで参加してみるのはいかがでしょうか。「高学年は思春期の入り口。親の前では甘えたり、反発したりしますが、外ではしっかりと頑張っているお子さんは多いです。高学年になると、親には見せない、親が知らない子どもの側面があることも心得ておきましょう」(村田さん)

 子どもの“ひとり旅”を検討するなら、両親どちらかの故郷を行く先にするのは一案です。飛行機の場合、空港でスタッフに子どもを預けた後、スタッフが空港内の案内や搭乗手続き、到着先での出迎えをサポートしてくれるサービスがあります。JALの「キッズおでかけサポート」、ANAの「ANAジュニアパイロット」、スカイマーク「SKY KIDS/スカイキッズ」などです。しかし、こうしたサービスの多くは実は低学年向け。高学年の子どもが利用できないわけではありませんが、「自分より小さな子どもたちに混じることで、プライドを傷つける可能性があります。通常予約でもチェックインカウンターで『子どものひとり旅』だと伝えると、客室乗務員に情報がいき、さりげなく機内で見守ってくれる航空会社もあります。旅をさせると決めたら、安全に配慮をしつつ、子どもを信じて任せるという姿勢が大切です」(村田さん)

 チェックインまでついていき、到着先の空港では祖父母が待っている。それでも、機上でひとり旅を経験できます。

 家族旅行の場合はどうでしょうか。

旅を通して子どもの生きる力が育まれる(写真はイメージ)
旅を通して子どもの生きる力が育まれる(写真はイメージ)