これからはプログラミングなど理系の知識やスキルが大切…そう言われるようになったけれど、文系で育った親としてはどうすればいいのかよく分からない。そういう人は少なくないのではないでしょうか。

 子どもにはとにかくプログラミング教室に通わせればいいのか、そもそも今の学校教育の現場の現状はどうなっていて、課題は何なのか。ITジャーナリストの高橋暁子さんが日本と海外の違いなどを交えながら説明します。

【年齢別特集 小学校高学年ママ・パパ向け】
(1) IT教育最前線 プログラミング必修化でこう変わる ←今回はココ
(2) 親子で学ぶプログラミング 親こそ必要な学び直し
(3) わが子は中学受験向き? 進路、学校選びの考え方
(4) 「共働き家庭率」で考える中学受験 親の負担に違い

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

プログラミング教室は人気の習い事に

 「プログラミング学習」が話題になることが増えてきた。いよいよ、小学校でプログラミング教育が必修化する2020年度が近づいてきたためだろう。日経DUAL読者の皆さんの中にも、子どもをプログラミング教室に体験参加させたという方は少なくないのではないだろうか。

 既に習い事として通っている例はまだ多くはないだろうが、今後増加していくことは間違いない。以前、筆者があるプログラミング教室を取材したときも、未就学児や小学校低学年の児童が多く参加しており、驚いたことがある。

 小学校だけでなく、中学校でも「技術・家庭」の授業で情報に関する技術を学ぶなど、プログラミングに関する内容が増加しており、高校でも「情報」はすべての生徒が履修する共通必履修科目となっている。プログラミングを含めた情報技術に関する知識や理解は重視されるようになってきている。

 必修化の背景には、深刻なIT人材不足がある。IT人材を育成し、第4次産業革命やグローバル化に対応するための教育が求められているのだ。

 プログラミング教育必修化と言っても、「プログラミング」という教科ができるわけではないので、テストがあったり、成績がつけられたりするわけではない。理科や算数などの教科の中に組み込まれる形の学習が多くなると考えられる。

 では、具体的にどのような形で、学校などの教育現場でプログラミング教育が行われていくのだろうか。

<次のページからの内容>
● 先進的な小学校では半数以上が既にプログラミング教育を実施
● 課題は現場の「機材・インフラ・知識」不足
● 教員のレベルと環境で教育の質が大きく変わる
● 海外でも進むプログラミング教育