リビングやダイニングで勉強する「リビング学習」。親の目が行き届き、子どもも安心感から集中しやすいことで、人気が高まっています。しかし、リビングはそもそもくつろぐための空間です。そんな環境で勉強するからこその悩みも出てくるのではないでしょうか。そこで、今回は、リビング学習で気になる子どもの姿勢について、姿勢改善と幼児の体作りについての情報発信や指導を行っている「子どもと姿勢研究所」代表・西村猛さんに話を聞きました。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) リビング学習の注意点 正しい姿勢で座るには? ←今回はココ
(2) 小学生の家庭学習 リビングの光と照明の位置に注意
(3) お年玉、投資派・預金派それぞれのマネー教育
(4) 低学年は7割がお小遣い制 カレンダーで管理を学ぼう

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

良い姿勢をとるには骨盤を意識させよう

 西村さんによると、ダイニングの椅子やリビングで床に座っての学習には姿勢が崩れやすくなる様々な要因があるといいます。

 「皆さんは姿勢が崩れるとはどのような状態をイメージするでしょうか。猫背になったり背中が曲がっている状態を思い浮かべる方が多いと思いますが、その前段階として、骨盤がまっすぐ立ちあがっていない状態があります」と西村さんは話します。

 「背骨の下には大きな骨盤という骨がつながっています。骨盤が後ろに傾くと、背骨は横から見たときにCの字型に丸くなります。これが姿勢が崩れた状態です。一方、骨盤がまっすぐ立っていれば、背骨は自然とS字カーブを描きます。これが良い姿勢です。背骨がなぜS字に弯曲しているかというと、5キロ近くある頭の重さを分散させて支えるためです。背中が丸まってしまうと、肩こりや腰痛など体の不調が起きてしまいます」

 良い姿勢のために「骨盤を立たせなさい」と言っても子どもにイメージさせるのは難しそうです。

 「確かに骨盤は体の後ろ側はお尻の筋肉で覆われているので、実感しにくい骨です。しかし、腰に手を当れば骨盤の骨を感じることができますから、「腰に手を当てたまま、まっすぐ背中を伸ばして椅子に腰をおろしてごらん」と言ってみてください。すると、骨盤を立てたまま座ることができ、背骨も自然にS字カーブを描きます

<次のページからの内容>
● 良い姿勢 6つのポイント
● 足がブラブラすると、お尻がずれる。足台と滑り止めシートで予防
● 座骨下に座布団をかませて骨盤を立たせる
● 良い姿勢を保つにはしっかりした体幹が必要
● 姿勢が崩れやすい子は頻繁に休憩をさせて
● ジャングルジム、「手押し車」、お父さん登りで体幹を鍛えて
● 揺れる感覚で集中できる子にはバランスボールを使うテも