思春期ではないのに、低学年の娘のパパに対する態度がひどい…。そう感じることはないでしょうか。それによってパパが、うんざりしたりイライラしたりすると、ママの負担は増えるばかり。父娘関係が悪化しかけた時どうすればいいか、恵泉女学園大学学長の大日向雅美さんに聞きました。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 低学年 説明文の本こそ読み聞かせ 論理的に考える力を
(2) 算数の図形 低学年のうちに「苦手意識」を持たせない
(3) 低学年娘の目に余るパパへの態度 ママはどうすれば? ←今回はココ

娘の心理は、「パパになら許されるだろう」

 「あっち行ってよ」「またゴロゴロして!」。パパに向かって、低学年の娘がこんな態度をとっていることはありませんか?

 ここまでではないにしても、ママにはとらない態度をパパにとっている娘の姿を見ると、「どうして、パパにだけこんなに強く出るの?」と、親としては不思議な気持ちになりますよね。家族や親子関係の発達心理学に詳しい、恵泉女学園大学学長の大日向雅美さんは、こう説明します。

 「親というのは、同性よりも異性の子どもに甘くなりがちです。『性の交差効果』といって、もともと、パパというのは娘には情緒的でやさしくなる傾向があり、これは、ママと息子においても言えることです。つまり娘としては、パパであれば甘えられる、多少強く出ても大丈夫だろうと分かっているのです」

 また、子育てに主体的に関わる男性も増えてきましたが、パパたちには明確な「子育てをするパパ」のロールモデルがありません。そのためパパたち自身、威厳を保つべきか、友達のように子どもに接するべきか分からないこともあるといいます。

 「低学年の子どもにとって、親はまだまだ絶対的な存在。親を頼りたい気持ちも強いので、どっしり構えているママより、迷いながら子育てをするパパを軽くみて、『どこまで言ったら許されるのか?』を試したい心理が働くのではないでしょうか」

 問題は、娘のこうした態度によって、パパの態度まで変わってしまうことでしょう。こんな悩みも聞かれます。

 こうしたときの解決の糸口は、もう一方の親の上手な関与だと大日向さん。パパと娘がぶつかる場合には、ママによる、以下の2つのフォローが有効だと言います。

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