二学期になって低学年の学習が本格化してくると、「授業についていけない」「学習意欲が下がる」などの問題を抱える子どもが増えてきます。モンテッソーリ教育を通じて、子どもたちの学ぶ意欲を高める方法について子どもの自主的な学びを育むヒントを聞いた前回に引き続き、今回は、わが子の個性や関心に寄り添い、家庭で応用できるモンテッソーリ流の学びと関わりの手法を、日本モンテッソーリ教育綜合研究所附属「子どもの家小学部」の取り組みを参考に具体的に紹介していきます。
【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ】
(1) おとなしい子もハキハキ発言できる3つのルール
(2) 家庭でできるプレゼン力養成 生まれ順で方法が違う
(3) モンテッソーリ 小学生の集中力とやる気が向上
(4) 低学年のモンテッソーリ 子が伸びる家庭での関わり ←今回はココ
子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。
環境を整えることで子どもに学びの選択権を持たせる
親子で学習を、となると、つい「何を勉強したい?」と子どもに迫ってしまったり、「算数を復習してみようか」と苦手教科を“教える”という気持ちになってしまったりするものです。でも、前回学んだように、子どもの成長に大切なのは、「自主的に学びたいと思う意欲」を持たせること。
最初はそれが難しい、と思うかもしれませんが、そのためには環境づくりも大切です。
「子どもの家」には、100種類以上のモンテッソーリ教具がずらりと並んでいて、子どもたちは教室に入ると目当ての教具を手にとって、学びをスタートさせます。
「もちろん、教具は理解を深めるために考えられてよく作られたものですが、そうでなくても、家にある日常の道具で代用できるものも多いですよ」と櫻井さん。
わが子がどんなことに知的好奇心を抱くか、そのヒントは親子の会話の中に詰まっています。モンテッソーリ教具に準じて使え、家庭に揃えておきたいグッズは、例えば以下のようなもの。
- 積み木
- ビーズ
- 色画用紙
- 包丁、ハサミ
- 計量カップ(メスシリンダーなど)
- 絵本、本、図鑑
- 地図帳、白地図
- トレーシングペーパー
- 地球儀
- 人体骨格
- 体験をまとめるための画用紙や紙、ペン
- 辞書、辞典
これはごく一部で、日常生活に使うために普通にあるものも十分学習に使えます。また、最近ではインターネットも重要な学習道具の一つとして、子どもの家でも取り入れています。
次のページからは、「子どもの家」でどんな学びをしているか、家庭にどう応用できるかを具体的に見ていきましょう。
・ 体験を通じて文化を知る「歴史」「地理」「科学」
・ 学ぶテーマも目的も、子どもが主体で決める
・ インプットしたものをアウトプットすることで学びが深まる