例年なら1学期から夏休みにかけて学校や警察署、PTAなどによって行われていた子ども向けの自転車教室。新型コロナウイルスの影響が続いている今年は、多くが中止になったり、規模が縮小されたりしています。しかし、小学生になると子どもだけで自転車に乗る機会も増えてきて、「安全に乗れているだろうか」と不安な親もいるのではないでしょうか。家庭で教えたいことを自転車教室の講師を務める専門家に聞きました。2回にわたって紹介します。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 小学生の自転車事故6割が交差点 親の乗り方も見直しを ←今回はココ
(2) 自転車事故の賠償は高額の判例も 子の保険加入忘れずに
(3) マスク時代こそ親子で育もう 感情を表現する「表情力」

コロナで利用が広まった自転車だが、子どもにとっては危険な面も

 新型コロナウイルスの流行と共に注目を集めたのが自転車の利用です。3密を避けて移動できることから、自転車通勤を認める企業が出てきたり、自転車での食事宅配サービスが広まったりと、自転車を利用する人が増えています。

 自転車専門店を全国に480店舗以上展開する企業、あさひでは、子ども用の自転車の売り上げは、前年同期比で約126%(2020年2月~8月)でした。同社マーケティング部 販売戦略セクション担当の岸谷雄輔さんは「例年だと、子ども向けの自転車の購入時期は5月(こどもの日)と12月(クリスマス)に集中しています。しかし、コロナ禍において外出自粛を求められる中、運動不足解消・ストレス発散の観点から自転車を購入した人が多かったのではないでしょうか」と売り上げが伸びた理由を推測します。

 日本自転車普及協会の山口文知さんは、「交通ルールをきちんと知らないまま自転車を走らせている子どもが多いのではないか」と心配します。「自転車は法律上は車両ですが、現実の道路上ではどっちつかずな存在で、車道を走ったり、歩道を走ったりしています。大人も知識が曖昧で、その時々で走りやすい道を行くなどしているのではないでしょうか。子どもは大人の乗り方に影響されますから、このような状況だと、正しい交通ルールや安全な走り方が身につかない可能性があります」

 今後、友達同士で自転車に乗る機会が増えていく子どもにどのようなことを教えたらよいのでしょうか。まずはクイズです。親子で答えてみてください。

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