子どもと話していて、「〇〇ってどういう意味?」と言葉の意味を聞かれることはありませんか。親としては、自分で辞書を引いて調べる習慣を身に付けてほしいと思うところですが、多くの子どもは面倒くさがり、「教えてくれないならネットで調べる」と、タブレットやスマホで検索して済まそうとすることも。そんなことで、子どもの語彙力や考える力は身に付くのでしょうか。また、親がその場で意味を教えてしまう場合の弊害はあるのでしょうか。中部大学教授で「辞書引き学習法」に詳しい深谷圭助さんに聞きました。

【年齢別記事 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 低学年 苦手克服と「勉強嫌いの阻止」どう両立?
(2) 年齢の割に幼い子、原因は親の過干渉それとも気質?
(3) 子が辞書引き面倒がる その場で教えてもいい?←今回はココ
(4) 「すごい?」を連発 子の承認欲求どこまで満たす?

実は親も辞書を引いていない

 子どもとの会話で「〇〇って何?」「これってどういう意味?」と言葉の意味を聞かれることはありませんか。辞書が引ける年齢であれば、自分で辞書を引いてほしいところですが、「面倒くさい」「ネットで検索したほうが早い」と言われるケースもあるでしょう。子どもが辞書を引こうとしないのであれば、親がその場で教えたり、ネットで検索させたりするほうがいいのでしょうか。しかし、そのような対応で、子どもの語彙力や考える力は身に付くのでしょうか。

 中部大学教授で、国語辞典の編さんに関わり、「辞書引き学習法」を勧めている深谷圭助さんは「子どもに『辞書を引きなさい』と指示する親が、そもそも辞書を引いていないのでは」と指摘します。

 「確かに、親である自分も辞書は引いていないかも……」とドキッとした人もいるかもしれません。ただ、「必ずしも紙の辞書を引くことが正解ではない」とはどういうことなのでしょうか。詳しく聞いていきます。

詳しくチェック!
・子が辞書引き面倒がるときは、その場で教えてもいい?
・紙の辞書は低学年の子どもにとって「不親切」な面も
・ネットの情報は玉石混交であることも。では知らない言葉を調べるときに最適なツールは?
・紙の辞書で調べるべきは「知らない言葉」よりも「知っている言葉」。その理由とは
・小1から始められる「辞書引き学習法」
・優れた日本語の使い手になるには