健やかな体を育むために、低学年の今、しておいたほうがいいことがあるのではないか――漠然とそう感じているママ・パパは多いかもしれません。パーソナルトレーナーとして27年の指導歴を持ち、小学生向けの体幹トレーニングについての著書もあるSAWAKI GYM代表取締役の澤木一貴さんに聞きました。スポーツや学力にもつながる身体の土台を作るために、親子でぜひ習慣化したい3つの簡単トレーニングも紹介します(DUAL特選シリーズ/2019年9月20日収録記事)。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1)  親が「宿題を見る」は必要? 本質を知って有意義に
(2) 低学年の宿題 後伸びするために親が家でできること
(3) スポーツにも学力にも「体幹」が大切な理由とは ←今回はココ

「すぐに伝わる子」と「なかなか伝わらない子」の違いは

 「理想は野山を駆け巡って遊び回ること。それができていれば本来はトレーニングなど不要だとは思います」。そう話すのは、SAWAKI GYM代表取締役の澤木一貴さん。澤木さんは小学生向けの体幹トレーニングについての著書を出版したことがきっかけで、全国から依頼を受け、小学生やその親、教師らを対象にした講演会などを行っています。例えば、授業に集中できるように、授業開始前に取り入れたい1~2分間のストレッチの指導などをすることも。低学年の体作りは、勉強にも密接に関わってくるのです。

 そうした機会に、小学生の子どもたちを指導していて気づくことがあると澤木さんは言います。「『教えればすぐに伝わる子』と『教えてもなかなか伝わらない子』がいるのです」

 「立つ、回る、転がる、歩く、走る、跳ぶ、登る、はう、ぶらさがる、体を振るなどの基本的運動を、未就学児ぐらいの段階までに一通りやっていると、脳と体がうまくつながり、何かを教わったときも理解にそれほど時間がかかりません。ですが、そうした基本的運動が部分的にでも抜け落ちている子には、伝えてもなかなか伝わらないことがあります。体を使うようなゲームでも、ダンスの動画を見てまねするのでもいいので、大前提として、今の子どもたちには、体を動かす遊びをもっともっとしてほしいなと感じています」

 特に小学校低学年の時期は、さまざまな動きを取り入れることが大事だと澤木さんは指摘します。「体の発育・発達には順序があります」

小学校低学年の時期は、さまざまな動きを取り入れた遊びを積極的にしたいもの
小学校低学年の時期は、さまざまな動きを取り入れた遊びを積極的にしたいもの